1節~3節は、世界的な腐敗。4節~6節は、信仰者の苦しみと救い。7節は、シオンの祈り。

1節~3節:愚かなものは「神はいない」と言います。世界中の人が、創造主なる神を否定して生きています。そして、創造主なる神から離れた者はみな、堕落と罪の一途をたどる以外にありません。その結果、善をおこなう者はいない、ひとりもいない、という状況が生れています。

4節~6節:このような状況から救いがあるとすれば、神の一方的な恵みによる救済しかありません。そして、まさに、イスラエルの民は、このような堕落の中から、神の恵みにより脱出させていただいたのです。「正しい者の一族」とはイスラエルの国民を指していますが、「一族」とは、本来、時代あるいは世代を意味する言葉です。神はイスラエルと、いつの時代でも、共におられるという意味になります。悩む者とは、ちょうど、イスラエルの民がエジプトで大きな悩みの中にありましたが、そのような悩みは今でもあるけれども、主が必ず、避け所となってくださるのです。

7節は結びの祈りです。ミクタムの賛美にもなっていますね。シオンは神の神殿があるところであり、主は平和と秩序を必ず回復して下さいます。たとい、全世界にイスラエルの民が離散しようとも、主は繁栄を回復して下さることを信じて、とりなしの祈りをささげています。まさに、この詩篇のことばは成就しました。紀元後70年に、イスラエルの国家は崩壊し、エルサレムは崩壊しましたが、紀元後1948年に、イスラエルの国家は復興しました。全世界から離散の民がイスラエルの国に帰っています。

日本の国で言えば、創造主から離れている民が、創造主を知り、創造主を礼拝する民として主のもとに立ち返るよう、私たちは執り成しの祈りをささげています。また、毎週、礼拝でその信仰を告白しています。いまは不可能に見えても、主が恵みにより、日本の国民を創造主のもとへ立ち返らせてくださいますように。

清宣教師