13章から27章までは、イスラエル周辺の国々への主の御計画を宣べ、これらの国々に頼ることの愚かさを指摘しました。さらに、全世界的な裁きについて、ご自分の正義を打ち立てる時がくることなどを明らかにされました。
今日の28章から35章にかけては、不信仰のユダの罪を取り上げます。具体的に、当時のアハズ王、ヒゼキヤ王の計画、アッシリアとの密約などを取り上げ、主に信頼するように熱心に勧める内容となっています。
28章1節―6節:北イスラエルの破滅。エフライムは、北イスラエル王国のリーダー的な役割を担っていました。ですから、ここでは、エフライムとは、北イスラエル王国を意味しています。かつて、北イスラエルは南ユダに対して誇り高ぶっていました。しかし、酔っぱらいのように、萎んでいく花にしか過ぎないのです。北イスラエルの傲慢の花の冠は、主によって踏みにじられるのです。
7節―13節:「南ユダの酔った指導者」。初めから自分たちのことを非難されれば、いま目の前にいる南ユダの指導者たちは心を閉じたでしょうが、1節―6節の、北イスラエルへの非難は、南ユダの指導者にとって心地よいものだったと思われます。しかし、一転して、イザヤは南ユダの指導者たちが、祝い酒に酔い、7節、8節に描写されるような宴会の乱れや、その醜態を指摘しました。すると、酔いどれていた指導者たちは、イザヤに激しく反発しました(9節)。10節のことばは、内容的には意味不明であるが、あざける者たちが、酔っ払って、幼児のようなことばでイザヤをからかっている。しかし、イザヤは同じ言葉をもって、彼らに対する神の刑罰を宣告しています(13節)。
14節―22節:「死との契約」。王や政治家が策定した平和の手段は、無駄なことであることを宣告しています。「死との契約」「よみとの同盟」とは、残忍無比なアッシリアとの同盟を指しています。指導者たちは、アッシリアと同盟を結んだのだから大丈夫と考えているようです。しかし、イザヤは、アッシリアは約束などまもるつもりがないことを警告しました。しかし、指導者たちは聞き入れませんでした。主は、ひとつの石をすえられます。ひとつの石とは、やがて、この世に遣わされるメシヤのことです(16節)。
23節ー29節:「神の御計画の神秘」。ここでは、創造主が農夫を指図して、それぞれの作物の栽培と収穫にふさわしい方法を教えておられることを宣べています。そして、その方法は、それぞれにおいて異なるものであり、同様に、主が裁きをなされるとき、あるいは、主が救いをなされるときには、人間の計画や考えを遙かに超えて、それぞれにふさわしい裁きや救いを、主の深い知恵と力によってなされることを宣言しています。
清宣教師