遂に、聖都エルサレムが、バビロン軍によって占領される時が来ました。ゼデキヤ王の治世の第11年、第4の月の9日でした。ゼデキヤ王の治世の第9年の第10の月(紀元前588年の初め)に包囲されてから、約2年半後のことでした(1節―2節)。バビロン軍の4人の首長の名前が挙げられています。1.ネルガル・サル・エツェル(または、ネリグリッサロスとも呼ばれた)、2.サムガル・ネブ、3.「ラブ・サリス」(肩書職位の侍従長を意味する)のサル・セキム、それに、4.「ラブ・マグ」(肩書職位の指揮官を意味する)のネルガル・サル・エツェルです。他にもバビロンの首長たちが、威風堂々とエルサレムに入城してきたのです(3節)。それをみて、ゼデキヤ王や側近の者たちが、夜の闇にまぎれて城外へ脱出をはかりました。しかし、バビロン軍の知る所となり、追跡されて、エリコの草原でゼデキヤ王をはじめ、みな捕えられました。そして、ネブカデレザル王がいるリブラに連行されました(4節、5節)。ネブカデレザル王は、ゼデキヤ王の前で、子供たちやゼデキヤ王に仕えてきた者たちを虐殺し、それから、ゼデキヤ王の両眼をくり抜いて、青銅のあしかせに繋いでバビロンへ引いていきました(7節)。この処刑の方法は、こどもたちの虐殺の光景を目に焼き付けさせ、それ以外のものを見ることが出来ないようにして、生きている限り、苦しませるという処刑でした。ゼデキヤはその時になって、初めて、エレミヤが語った主のことばに従っていればよかったと、心の底から思ったに違いありません。でも、時があるのです。
カルデヤ人(バビロン軍)たちは、エルサレムの王宮も民の家も火で焼き、エルサレムの城壁を取り壊しました。それから、南ユダの民たちはバビロンへ移送されました。ただ、土地を持たない極貧の民たちがユダの地に残されて、ブドウ畑と畑を管理する仕事をまかされました(8節―10節]。
一方、バビロンのネブカデレザル王は侍従長に命じて、エレミヤを釈放して自由の身とするように命じました。それで、侍従長は人を遣わして、監視の庭に捕えられていたエレミヤを庭から出して、アヒカムの子のゲダルヤに、エレミヤの身柄を渡しました。こうして、エレミヤは民たちの間で生活することが許されました(11節―14節)。さて、時間は少し遡りますが、まだ、エレミヤが監視の庭に閉じ込められていた時、エレミヤに主のことばが与えられました。それはクシュ人のエベデ・メレクに対する主のことばでした。エベデ・メレクは、エレミヤが首長たちの手で古井戸に投げ込まれたのを知り、ゼデキヤ王に報告し、エレミヤを古井戸から救出した、あの宦官です(38章7節―13節)。主は、クシュ人エベデ・メレクに対して、やがて、このエルサレムの町がバビロン軍によって包囲され、占領される時が来るけれど、「その日、わたしはあなたを救いだし、バビロン軍の手には渡されることはない」という約束のことばを与えました。
今日の個所からは、神様のみことばに対して素直に応答することが、私たちの人生の幸せだけでなく、私たちの家族や、まわりのひとたちの幸せにつながることを教えられます。また、エレミヤのような神のしもべを助ける人は、主から恵みを受けることも教えられます。
清宣教師
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