今日の個所は、エルサレムの住民が、主の裁きとしてのエルサレム包囲のあと、どのようになるかが示されています。
1節―4節では、主はエゼキエルに対して、鋭い剣をもって頭とひげを、すべて、そるように命じられました。おそらく、民たちが見ている中でこの不思議なことがなされたことと思います。頭の髪の毛やひげをそるという行為は、嘆きのしるし、不名誉のしるしでした。頭髪やひげをすべてを剃ることは、滅亡が全面的なものであることを示しています。そして、その頭髪とひげを、厳密に秤で量って三等分しました。秤で厳密に量るという行為は、これが偶然の出来事ではなく、神の熟慮の上になされる神の裁きの計画であることを示しています。3分の1は、町の中で焼き、3分の1は町のまわりで剣で打ち、残りの3分の1は風に吹き散らせ、剣で負いました。そして、最後に少しの毛をとり、衣の裾に包み、そのうちのいくらかを火で焼きました。エゼキエルの行動は、町のひとたちの興味をひいて、みなが一部始終を観ていたと思われます。
5節―17節では、エゼキエルが演じた象徴的な行動についての主の解き明かしのことばです。髪の毛やひげの毛は、裁きを受ける人々を表しています。最初の町の中で焼かれた3分の1は、包囲されたエルサレムの町の中で飢饉や疫病によって死ぬ人たちを示していました。剣で打たれる3分の1の人たちは包囲されたエルサレムから逃げようとして敵の剣によって殺される人たちを示していました。風に吹き散らされる最後の3分の1の人たちは、バビロンをはじめ、諸外国に連れ去られる人たちを示していました。このような完全な裁きがなされるのは、まわりの諸国に対して、戒めと警告の証しとするためでした(15節)。本来、イスラエルが神の民として選ばれた理由は、神の民として神の戒めを守り、その祝福をもって、主こそ生けるまことの神であることを、まわりの諸国、全世界の民に対して証する役割を果たすことでした。ところが、イスラエルは高ぶり、主の戒めを捨てて、まことの神ではない偽りの神々(偶像の神々)に礼拝をささげるものとなりました。神と神の民としてのイスラエルの契約はこうして破られました。神と神の民と間に結ばれた契約を破った場合の裁きについては、あらかじめ明確に示されていました。そして、いま、その裁きが完全になされることになったのです。つまり、本来は、神の祝福の基となるべき神の民であるイスラエルが、正反対に、反面教師として、神の契約を破った者として、神の裁きを受けるものの姿を諸国の民にみせつけるものとなってしまったのです。不服従と反逆の罪の恐ろしさを徹底して、イスラエルの民が経験することになるのです。ただ、そのことは希望につながるのです。どういうことかと言いますと、13節に「わたしの怒りが全うされると、わたしは彼らに対するわたしの憤りを静めて満足する」と記されています。つまり、完全に罪を償った後に来るのは神の憐みです。十字架の死は厳しい神の裁きの現われです。しかし、そこで、完全に、神の義が全うされました。その結果、人類の罪の赦しの道が開かれました。神様の計画は深いですね。
清宣教師
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