5章と6章の初めの3つの幻は、いずれも、「出て行く」ということばが用いられています(5章3節、5章6節、6章5節)。神のもとからすべての事柄が発していることを示しているようです。
まず、ゼカリヤは空を飛んでいるひとつの大きな巻き物をみました。それは、巻かれたままではなく、開かれていて、長さが8メートル90センチ、幅が約4メートル45センチの大きな巻き物でした。畳で言えば約30畳分にあたります。それは誰にも見えるように、しかも素早く飛んでいました。巻き物には律法の呪いのことばが記されていました。特に、隣人の物を盗んだり、偽り誓って神を侮辱する者たちに対する神の裁きの宣言で満ちていました(4節)。この巻き物は盗人や偽りの誓いを立てる者の家に入り、そこに留まり、その家も人も取り除かれるのです。ここでは律法のことばを破る者は、それ相応の裁きを受けるということを示しています。この幻は、イスラエルの霊的刷新を進めようとするゼカリヤを励ます幻でした。
次に、エパ枡とその中に座る女の幻が見せられました。1エパとは約22リットルです。石油缶1個より、やや大きめのサイズです。イスラエルの民は、その始まりは牧畜の民でしたが、バビロン捕囚となり、多くの国々に散らされて商人となりました。商人として日常的にエパ枡を用いていました。エパ枡の鉛のふたには、「これは全地にある彼らの罪だ」と記されていました。全地に散らされたイスラエルの民は、欺瞞と不誠実の罪によって悪の桝目を満たしつつありました。エパ枡の中に閉じ込められた女(罪の象徴)が鉛のふたで閉じ込められて死に至るのをみました。そこに二人の女(主の御使いと思われる)が現われて、遠く、シヌアルの地、つまり、悪のすみかである遠いバビロンへ、運び去ると宣言されました。イスラエルの罪をエルサレムから遠くへ隔離し、再び、イスラエルが罪を犯さないようにするというのです。これも、イスラエルの霊的刷新を進めようとするゼカリヤへの励ましの幻でした。
主は必要なときには、私たちをも幻をもって慰め、あるいは励ましてくださいます。
黙示録14章6節、7節に記されている主の約束が成就しますように。御使いが「神を畏れ、神をあがめよ。神の裁きの時が来たからである。天と地と海と水の源を創造した方を拝め」という永遠の福音を携えて、この仙台、宮城県、東北、日本の中天を飛んでくださいますように。どうか、「創造主を礼拝するように」と、主の御使いが大声をもって、人々に語って下さいますように。私たちひとりひとりを、この地における大いなる霊的刷新の時のために備えさせてください。私たちを御子の姿に似たものとして造り変えて下さい。愛をもって大胆に語る者として下さい。
清宣教師