イエス様は、さまざまな注意を、あらかじめ、弟子たちにお話ししてから、宣教の地である町々へ出かけられました。そのような時、獄にいれられていたバプテスマのヨハネから、ヨハネの弟子を介してイエス様のもとへ質問が届きました。これはバプテスマのヨハネにとって、その人生のすべてを賭けた使命である、メシヤの前触れとしての働きが実を結ぶかどうかの最も大事な質問でした。それに対して、イエス様は、「あなたが見聞きしたことをヨハネに報告しなさい、と言われてました。つまり、目の見えない者が見えるようになり、ツァラアトに冒された人がきよめられ、耳の聞こえない人が聞くようになり、死人が生き返り、貧しい者たちに福音が宣べ伝えられているという事実を報告するように言われました。つまり、イエス様こそ、旧約の預言者たちが預言したメシアであることを明らかにしたのです。イザヤが預言したこと(イザヤ書35章5節、6節ほか)が目に見える形で実際に成就しているのです。それから、群衆に向かって、イエス様は、バプテスマのヨハネが旧約時代の最後の預言者であり、さらに預言者よりもすぐれた役割が与えられていること、それはメシヤの直接的な道備えをする役割を与えられた人物であることを紹介されました。旧約聖書の預言は、すべて、神の御子であるメシヤの到来を預言するものでした。その意味では、直接的に、メシヤの道備えをするバプテスマのヨハネは、旧約の預言者たちの中で最も大事な働きをした人物と言えます(11節前半)。しかし、実際に、預言されていた神の御国の福音を聴いて御国の住民となった者たちは、それまで御国の到来を預言していた預言者たちよりも、偉大なものです(11節後半)。なぜなら、旧約の預言者の働きは地上における働きです。しかし、実際に御国の住民となったものたちは天に属する者となったのですから、天の御国の一番小さなものでも、バプテスマのヨハネより偉大であると言えるのです。なお、バプテスマのヨハネのことを、イエス様は、預言者マラキが預言したエリヤであると紹介しました(マラキ書4章5節参照)。
一方、群衆たちのある者たちは、表面的なことで、バプテスマのヨハネを批評したり、メシヤであるイエスを批評したりしました。それはイエス様と弟子たちが宣教された町の人たちの反応もそうでした。とくに、コラジンやベッサイダの町、カペナウムの町の人たちは、イエス様のメシヤとしての証拠である数々の奇蹟と癒しのみわざをみても、イエス様を信じることがなかったのです。イエス様に直接、伝道していただき、多くの癒しや奇蹟が起こったら、なんと幸いなことと思ってしまいますが、でも、それでも信じなかったら逆にソドムの地の方がましであるといわれるほどの恐ろしい裁きが下るのです。いま、私たちが願うようには、癒しや奇蹟がおこりませんが、それも恵みなのかも知れません。私なりには、明らかな神のみわざがあらわれたら、多くの人たちが雪崩をうつようにイエス様を信じるに違いないと思いますが、でも、信じないとしたら、むしろ、とても恐ろしい結果となります。やはり、隠されていることも父なる神様のあわれみのみわざなのでしょうか(25節)。
マタイの福音書の著者は、イエス様があまねく、すべての人々を招いておられることを知らせています。「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。わたしは心優しく、へりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすればたましいに安らぎが来ます。わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」(11章28節~30節)。今から50年前から25年くらい前までは、どの教会も、マタイの11章28節~30節のみことばを教会堂の前に掲載していました。癒しや奇蹟だけではなく、すべての疲れや重荷が取り去られることも、イエス様のお働きの大きな分野を占めているのです。これも、とても、効果的な伝道方法でした。「イエス様のもとで重荷を下ろしましょう。そして、魂の平安をいただきましょう。」。何となく、高度経済成長の時代、豊かな生活を迎えて、このみことばが消えてしまったように思います。しかし、いま、経済格差と過重労働の中で、再び、このみことばの必要性が増してきたように感じています。
清宣教師
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