今日は、少し長い個所です。しかも、サンヘドリン(70人議会、国会に相当する)の聴聞会でのステパノの弁明が記録されています。今回は、12使徒のひとりではなく、ステパノという執事職(正確には、聖書には執事とは記載されていない)のひとりが弁明しています。ステパノの個人的な背景については、聖書は触れていませんが、いわゆる使徒たちという聖職者ではなく、信徒の中から選ばれたステパノが、国会という場で、堂々と弁明していることに驚きます。あらかじめ、イエス様が預言されていたとおり、何を弁明するかは、聖霊様が教えて下さったので、迷うことなく、ステパノは弁明しました。しかも、大祭司が、「その通りか」(7章1節)という質問をして、弁明を促したので、ステパノは、導きのまま、アブラハムの召命から話を始めました。ステパノに対する訴えは、「この人は、この聖なる所と律法とに逆らうことばを語るのをやめません」(6章13節)というものでした。しかし、ステパノは、この訴えに対する弁明というよりも、むしろ、旧約聖書全体における神の救済の歴史を通して、イエスがメシヤであることを証しする大説教となっています。
アブラハムから始めて、イサク、ヤコブ、モーセ、ダビデへと話しをすすめています。このメッセージを聞いて、ひとつ、気付いたことは、「ところが」(39節)というようなことばで表現されるように、ステパノのメッセージの内容は、まず、「こうである」とのべて、「ところが」という意味合いで、次のことばを述べていることです。例えば、アブラハムは、神からカナンの地を相続する約束をあたえられました。ところが、アブラハムの存命中は、足の踏み場となるだけのものさえ与えられなかった。
ヨセフは兄弟から妬みをうけてエジプトに奴隷として売り飛ばされました。ところが、神の摂理の中で、ヨセフはエジプトの総理大臣となり、父祖たちを救いました。
イスラエルの民はエジプトで苦しみの中にありました。エジプトの王は、イスラエルの男児を皆殺しにしようとはかりました。ところが、神は主権的な摂理をもってモーセをエジプト王パロの宮殿の中で育てました。
モーセは成人して40歳となるころ、自分の解放者としての使命に気付きました。それで、同胞のイスラエル人がエジプト人の虐待を受けているのを見て、そのエジプト人を打ち殺しました。モーセは自分の民(兄弟であるイスラエルの民)が、自分の手によって兄弟たちに救いを与えようとしていることを理解してもらえると思っていました。ところが、彼らは理解してくれませんでした(25節)。
その40年後、モーセは神に遣わされてエジプトに来ました。そして、イスラエルの人をエジプトの奴隷の状態から解放しました。ところが、イスラエル民は、モーセに逆らい、偶像に仕えることを止めませんでした。その時、モーセは「私のようなひとりの預言者を、あなたがたの兄弟の中からお立てになる」という預言をしました。
これまでのメッセージの流れの中で、ひとつは、神の救済の計画についてのべています。しかし、ヨセフのように神に選ばれた者を、兄弟は妬みにより奴隷として売り飛ばしました。モーセのように神に選ばれた者を、同胞は理解せず、エジプトから追放しました。このように、たびたび、イスラエルの民は、神の救済の計画を邪魔するものとなっていました。しかし、神の恵みにより救済の計画は成就してきました。そして、ダビデの時代にまで来ました。神はいつも、預言者を民たちに送り、まことの神に立ち返るよう話しかけてきました。ところが、父祖たちはみな、預言者たちを迫害したのです(52節)。
そして、「今は、あなたがたが、この正しい方(神の御子であるメシヤであるイエス)を裏切る者、殺す者となりました」(52節)と述べて、さらに、「あなたがたは、御使いたちによって定められた律法を受けたが、それを守ったことはありません」(53節)と述べました。
ステパノは、「聖なる所と律法」に逆らう罪で訴えられました。ところが、ステパノは、自分ではなく、いま自分を訴えているサンヘドリンの国会議員であるあなたがたこそ、聖霊に逆らい、律法を無視するものである、と告発したのです。そして、天を見上げて、神の栄光と、神の右に立っておられるイエスを見て、「見なさい。、天が開けて、人の子が神の右に立っておられるのが見えます」と証しました。これを聞いた国会議員たちは、妬みと宗教的プライドから、「はらわたが煮え返る思いで、ステパノに向かって歯ぎしりして、襲い掛かり、町の外へ引きずり出して、石打ちの刑にしました。その石打ちの刑に証人として立ち会ったのが、サウロという人でした。ところが、このサウロこそ、神のご計画の中で、福音を宣べ伝える器として選ばれていくのです。
清宣教師
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