12章に入ると、エルサレムにおける状況が記されています。10章から異邦人伝道の道が開かれていく様子が記されていました。しかし、ここで、再び、エルサレムのユダヤ人の状況が記されています。じつは、次の13章からは、使徒の働きの舞台は、ほぼ、アンテオケ教会を中心とした異邦人宣教への働きに焦点があてられて進んで行きます。そこで、著者ルカは、エルサレムの状況を、この辺でまとめて記すことにしたのであると思われます。
宣教の中心基地の働きをしていたエルサレムの教会ですが、ヘロデ王による激しい迫害を受けることになりました。ヘロデは、エルサレム教会の人々を苦しめようとして、ヨハネの兄弟ヤコブを剣によって殺害しました。そして、エルサレム教会の最高指導者の立場にあったペテロをも捕縛しました。エルサレム教会のユダヤ人クリスチャンは、何もなすすべがなく無力であり、教会の将来は風前の灯火のように見えました。もうすぐ、消えてしまうに違いないという状況でした。しかし、エルサレムのユダヤ人クリスチャンたちは、厳しい迫害の中で、家に集まり、祈祷会をもっていました。ペテロは24時間、4人一組の4組の兵士によって監視されていました。夜は夜で、ペテロは、2本の鎖につながれて、ふたりの兵士の間に寝かせられており、戸口にも番兵たちがおり、囚人たちが逃亡できないように見張っておりました。しかし、その厳重な牢獄の中に、御使いが現われて、ペテロのわき腹を叩いて起こし、立ち上がるように命じました。鎖は天使の手によって外され、天使は、さらに、ペテロに対して帯をしめ、靴を履き、上着を着るように命じました。ペテロは、そのとおりにしました。そして、第1、第2の番兵が見張っている衛所をとおり、鉄の門まで来ました。すると、門は御使いの手によって開けられ、ペテロは御使いと共に、牢獄の外に出ることが出来ました。そのあとは、御使いは去って行き、ペテロひとりで行動することになりました。ペテロは、祈り会が開かれているであろうと思われるマルコ・ヨハネの母マリヤの家に行きました。扉を叩いていると、女中のロダが応対に出ましたが、のぞき窓からペテロの姿を確認したのでしょう。奥で祈っている人たちに、ペテロが家の外にいますと報告しましたが、みなはそのことを信じないで、女中のロダにたいして、「あなたは気が狂っている」と応答しました。つまり、お祈りを熱心にしていたのですが、このような形で、神様の答えが来るとはまったく想像もしていなかったのでした。戸をあけてくれないので、ペテロは必死にドアをノックしました。牢獄から抜け出して、夜更けの家のドアを叩いているのですから、ペテロは、一刻も早く家の中に入りたかったでしょうね。迎え入れられると、ペトロはその祈祷会で、みんなの祈りに感謝しつつ、主のみわざを分かち合いました。そして、ペテロは他の場所へと去って行きました。
他方、ヘロデの方では、ペテロが牢獄から脱獄したというので大騒ぎになりました。番兵たちは、ヘロデ王の命令によって、処刑されました。しばらくして、ヘロデ大王は、主が介入されたので、虫にかまれて息絶えたとしるされています(23節)。こうして、主のみことばは、ますます盛んになり、広まって行きました。
今日の個所を通して示されたひとつのことは、祈り会の大切な役割です。みなで祈っている時、思いがけないかたちで答えがありました。彼らは、ペテロの救出を祈りながら、実際にペテロが救出されると、信じられなかったようです。わたしたちも多分に、そのような傾向があると思います。祈ってはいても、実はそこまでの答えがあるとは信じていないことです。でも、そのような祈りでもみんなで祈っているときに、主はその信仰を遙かに上回る答えをもって、主のみわざを見せて下さることです。これは私たちにとって大きな励ましです。主からの答えがどのような形で来るかは、私たちには分りませんが、祈るなら、とにかく、主が答えて下さるということです。主は勝利者です。家族の救いの実現と原発ゼロの実現と世界の難民の人たちが祖国に帰る日の早期実現のために、勝利者イエスの御名によって、お祈りします。清宣教師
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