迫害を受けたパウロの一行は、ローマに通じる街道を約130キロメートル進み、イコニオムの町に入りました。そこで、ユダヤ人の会堂に入って宣教しましたが、主は彼らの手にしるしと不思議なわざを行わさせ、恵みのみことばが確かなことを証明されました。しかし、ユダヤ人の陰謀で町の人々が二派に分かれて対立する状況となりました。そして、反対派のものたちが、パウロの一行を石打ちにしようとしていることを知り、その付近の地方に難を避けて、福音を伝えました。福音の宣教がなされると、そこには、福音を受け入れる人たちと受け入れないで反対するひとたちの二つのグループが生じます。これは福音宣教において避けられないことです。神の前には中立ということはあり得ないからです。
イコニオムからさらに40キロメートル進み、ルステラの町に入りました。そこに、生まれつき足のきかない人で、一度も歩いたことがない人がいました。パウロは彼を見て、癒される信仰があるのを見て、大声で、「自分の足で、まっすぐに歩きなさい」と命じました。するとその通りになりました。その癒しの奇蹟のゆえに、群衆はバルナバとパウロを、ギリシャの神話にあるゼウスとヘルメスが人間のかたちをとってお下りになったのだと解釈して、「神が人間の姿をとって私たちのところにお下りになった」と声を張り上げて、大騒ぎとなりました。それを聞いたゼウス神殿の祭司たちが、バルナバとパウロを神々の一員として、その前に祭壇を築き、犠牲をささげようとしました。これを知ったバルナバとパウロは、群衆の中に飛び込んで、天と地と海とその中にあるすべてのものをお造りになった創造主こそ、唯一の神であり、そのお方をだけを礼拝するように、自分たちは宣教していることを説明しました。また、創造主は、天から雨を降らせ、実りの季節を与え、食物と喜びとであながたの心を満たして、ご自分の恵み深いご性質を人々に証ししてくださっていることをメッセージしました。それで、群衆はパウロとバルナバを拝むことをやめました。しかし、160キロメートルも離れたアンテオケとイコニオムから執念深く、パウロ一行を追跡して来たユダヤ人たちが、ここでも、群衆をそそのかし、パウロを石打ちにしました。彼らはパウロが死んだと思って、帰って行きました。
彼らが去って後、弟子たちが、道端に多くの石に埋もれて気絶して倒れているパウロを取り囲んでいると、パウロはあたかも何事もなかったかのように、自分の足で立ち上がり、町に入り、今度は、近郊のデルベの町へ向かいました。そこで、多くの人たちを弟子としてから、ルステラとイコニオムとアンテオケに引換し、福音を信じて救われたばかりの信徒たちを励まし、さらに、それぞれの教会のために、そこにある教会の人たちの中から、長老を選び、任命して、信徒たちをそれぞれの教会の長老たちに委ねました。それから、ピシデヤ、パンフリア、ベルガを経由して、パウロとバルナバの母教会であるシリアのアンテオケ教会に帰りました。ここで、パウロとバルナバたちは、伝道旅行で体験した神の恵み、神が異邦人にも信仰の門を開いて下さったことを証ししました。今日の個所が、パウロの第1次伝道旅行として知られている個所です。
いまは収穫の秋の季節です。創造主は、恵みをもって、天から雨を降らせ、実りの季節を与え、新米やサトイモ、カボチャ、ダイコン、ニンジン、ゴボウなどの野菜、栗や梨や柿や葡萄などの果物など、美味しい食物と喜びとで、私たちの心を満たしてくださっています。それこそ、創造主ご自身の証しのしるしです(17節参照)。美味しい芋煮や収穫物を味わうとともに、創造主に感謝を捧げましょう。「主よ。あなたは、あなたのなさったことで、私を喜ばせてくださいましたから、私は、あなたの御手のわざを、喜び歌います。主よ。あなたのみわざは、なんと大きいことでしょう。あなたの御計らいは、いとも深いのです。」(詩篇92篇4節、5節)。
清宣教師
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