健康管理のための休暇をいただくことになっております。それで、来週の1日1章はお休みとなります。あらかじめ、ヨハネの手紙の概要をお伝えすることにしました。
まず、ヨハネの手紙、第1は、読んでみて、すぐわかることですが、不思議にも、著者(差出人)の名前も、読者(受取人)の名前も、そのほか、一人の個人名も出てきません。その代わり、繰り返し、「光」、「いのち」、「愛」ということばが記されています。紀元70年にエルサレムがローマ軍によって陥落しました。そのあと、福音の中心は小アジアに移りました。その小アジアのエペソの教会で、ヨハネは晩年を過ごしたと言われています。おそらく、この手紙は、エペソの地で書かれたものであろうと考えられています。そのあと、ヨハネは、迫害をうけて捕えられ、パトモスの島に流刑となりましたが、そこで記されたのが黙示録です。さて、ヨハネは、この手紙の読者たちに対して、「私の子どもたち」、「愛する者たち」、「小さい者たち」ということばで呼びかけています。この手紙を読むと、ヨハネがこの手紙を書いた目的が、何度も記されています(1章4節、2章1節、13節、14節、21節、5章13節参照)。まとめるなら、ヨハネは、クリスチャンのひとりひとりが、「世に勝つ者」となることを願って書いたものと思われます。ヨハネは、神によって召された私たちクリスチャンにとって、心の名医であり、魂のカウンセラーであり、経験豊かな牧師として、とても大事なことを語ってくれます。まっすぐに真理を語り、しかも、分り易く語っています。また、実際的な生活の指針を示してくれます。期待をもって、ヨハネの手紙を読んでください。
次に、ヨハネの手紙、第2は、とても短い文章です。この手紙が強調していることは、「真理を愛の内に生活」と[異端に対する厳しい警告]のふたつです。当時の教会が、異端が入り込む危険に直面していたこと、一方で、真剣に異端から教会を守ろうとしていたか、が分ります。差出人は長老となっていますが、使徒ペテロも自分のことを長老として紹介しており、これは使徒ヨハネのことであると考えられます。受取人は、「夫人とその子供たち」となっておりますが、ひとりの夫人なのか、キリストの花嫁(夫人)としての教会なのかは、不明ですが、ヨハネはこの手紙を1世紀の終わりころに書いたと考えられています。
最後に、ヨハネの手紙、第3も、短い手紙ですが、受取人は「ガイオ」という人物です。ガイオという名前は、コリントでパウロからバプテスマを受けたガイオ(ローマ16章23節)、パウロの第3回伝道旅行に同伴し、エペソにある期間滞在していたマケドニヤ人のガイオ(使徒19章29節)、あるいは、パウロの第3回伝道旅行に同行したデルベ人のガイオ(使徒20章4節)のいずれかのガイオなのか、あるいは、当時はありふれた名前で、これ以外のガイオかもしれません。この手紙は、個人的なもので、デオテレペスという、教会の中で高ぶって、ヨハネの指導にも従わない、教会の中でかしらになりたがっている人物について、ガイオと会って、相談したいという手紙です。一方、デメテリオという人物について、その信仰の確かさについて、ヨハネは保証しています。おそらく、ヨハネは、このデメテリオに手紙を持たせて、ガイオのところに派遣したのかもしれません。
清宣教師
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