１３章に入ると、海から一匹の獣が登場します。「海」とは不安定なので「政治の世界」であると、一般には解釈されています。１３章の舞台は地上の世界であり、悪魔が受肉したような反キリストの出現を表しています。この獣は、１０本の角と７つの頭があり、１２章３節で描写されている大きな赤い竜「サタン」と同じです。１３章の獣は１０の冠、１２章の赤い竜は７つの冠であるところだけが違っています。１７章９節の解き明かしを読むと、「７つの頭」とは「７つの山、７人の王」です。ローマの別名は、「７つの丘の都」であり、７代の王がいました。そのローマ帝国が再び、権力を持つようになります。１３章２節の「ひょう」「熊」「獅子」とは、ダニエル書７章の預言に出てくる、ネブカデネザル、クロス、アレキサンダー大王のような３人の王たちを一緒にしたような大人物であることを表現しています。３節で、頭が致命的な傷を受けたにもかかわらず、傷がいやされるので全世界が驚くとあるのは、二つの解釈があります。ひとつは、かつて栄えたローマ帝国が再興されると解釈します。もうひとつは、反キリストが何らかの理由で死んだと思われたのに生き返るという解釈です。さて、１１節では、地から上ってくる一匹の獣が登場します。「地」とは、「宗教界」であると、一般に解釈されています。サタンは偽預言者のような存在であり、致命的な傷が治った最初の獣を拝ませます（１３章１２節）。そして、天から火を降らせるような奇蹟も行いました（１３章１３節）。
最初の獣は、天才的な大政治家と考えられます。彼は、４２か月（３年半）の間、つまり、大患難時代の後半期（５節）神の御名とその幕屋、天に住む者たちを罵り、聖徒たちに戦いを挑んで打ち勝ちました。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰が要求されます（１０節）。１０本の角については、多くの注解者はＥＣ１０か国と解釈しています。いまはＥＵとなり、ヨーロッパが事実上、ひとつの国家となることを意味していると解釈しています。世界戦争から人々を救う平和をもたらす政治家として反キリストは登場します。それが、１１節の「子羊のような二本の角」という表現です。「子羊のような」とは、イエス・キリストのような平和の主の姿をとることです。しかし、実際には子羊の皮をかぶった狼であり、世界を統治するものとして絶対的な権力をふるうようになります。一方で、教会？を背景とした宗教界の偽預言者が著しい奇跡をおこない、人々の心をつかみます。そして、反キリストと手を組み、すべての人々を支配します（１６節）。すべての人が右の手か、額に刻印をおされて、獣の刻印をうけていないと買い物も、売ることも出来ないようになります。これは、１００年前までは、夢物語であり、架空の作り話のようでした。しかし、現代に生きる私たちには現実のものとなっています。例えば、６６６という数字は、スーパーやコンビニの商品は、すべて、バーコードが刻印されていますが、このバーコードは、一番左、中央、一番右に２本の線があります。これは数字の６であり、まさに、６６６です。しかし、６６６は人の数字ですから、バーコードのことではないとも言われています。では、誰なのか？　ギリシャ語も、ラテン語も、アルファベットは数字をも意味しているので、昔から、皇帝ネロである、とか、いろいろな名前が挙がっています。
念のため、繰り返しますが、黙示録も１２章あたりからは、人によって、解釈が千差万別であり、特定することが難しいです。しかし、私たちが、終末の時代に生きていること、黙示録の描写が現実のものとして理解できる時代に生きていることは確かです。手か額に刻印されるというのも、家畜ではすでにマイクロチップを埋める技術が完成しており、人間に応用することはいつでも可能とされています。また、技術的には、世界政府が、全人類のあらゆるデータ（信仰のデータを含む）を把握し、管理することが出来ることが可能となっています。私たちは、聖書を読み、良く理解し、聖霊様によって確かな土台に立つことが、最も、大事なことである。イエス・キリストこそ、道であり、真理であり、いのちです。アーメン。
清宣教師