「全地は一つのことば、一つの話しことばであった。」(1節)。本来、全人類は、ことばの障壁がなく、ひとつの家族としてひとつの心を分かち合う存在でした。そして、2節で、「定住した」と記されています。放浪の生活、住所不定の生活は不安定でした。しかし、主の導きによりついに定住することができる平地を見つけました。彼らは、ホッとしたに違いありません。これらのことはみな、神の恵みによるものでした。一つのことばで、ひとつの話し言葉で、相互に理解することが出来ました。しかも、定住する地を与えられたのです。これは神様の祝福でした。しかし、人々はこれを呪いに変えてしまうのです。なんと、人間は、神様の恵みや祝福を災いや呪いに変えてしまうことがあるのです。いえ、しばしば、人間はそのような過ちを犯してしまうものです。
一つことば、一つの話しことばを用いて、大都市を建設しようとします。天にまで届く塔を建てて、そこにみんなで住まおうという計画です。これは神の御計画に真っ向から逆らうものでした。神の御計画は祝福の一環として、人々が全地に拡がり、神の家族が増えることでした。ところが、人々は、「われわれが全地に散らされるといけないから」ということで一致して、神の計画に逆らったのです。神の恵みと祝福を、神に逆らうために利用したのです。だから、裁きを受けることになりました。彼らのことばは、お互いに通じなくなりました。民族や国々や氏族によって異なることばで話すようになったのです。混乱が生じました。お互いに、意志を通じることが出来なくなりました。こうして、彼等は仕方なくでしたが、巨大な塔の建設をあきらめ、さらに、全地に散らされました。これは神の介入による人間の計画の停止でした。この停止すらも、神の憐みによるものでした。さらに、巨悪へと進むことを、一時的に、ストップされたのです。北根黒松の教会の前の牧師であった方が、今から15年以上前、東海村で臨界事故が起きたとき、原子力エネルギーの利用について、この箇所を引用して問いかけています。つまり、この事故を「人間の科学技術を邪魔するもの」とみるのか、それとも、「神の憐みによる介入」とみるのか、と問いかけています。そして、これは神の憐みによる介入なのだ、だから、いまこそ、原子力エネルギーの利用をやめるべきだと提案したのです。また、人間が、この警告を無視するなら、日本にも大きな原発事故が起こる事を警告しました。そして、それから10数年、福島第1原発で事故が起こり、大量の放射性物質が東日本をはじめ、全世界にまき散らされてしまいました。
創造主の祝福を、恵みと受け止めず、慢心して利用する時、多くの災いと呪いを招いてしまいます。これはとても恐ろしいことです。決して、慢心してはいけないと、堅く肝に銘じたいことです。人間は、神様の祝福を呪いに変えてしまう達人のように感じます。それでも、神様の裁きは、呪いではなく、恵みです。神様は、その裁きを、私たちが考え直すチャンスとして与えられているのです。
さて、10節~26節において、人間の寿命が次第に、短くなっています。これは神の裁きによるものと思われます。しかし、一方で、これも神様からの憐みによる警告であり、主は生きておられるという証の一つであり、また、世代交代を通して、悔い改めて、主に立ち返るチャンスを与えて下さっているように思います。すべての問題は祝福の門口です。立ち止まって考える時に、正しい道が開かれるのです。裁きの中にも、神の憐みを見出すことが出来ます。
11章の27節~32節において、神の御計画が見えてきます。混乱の中から正しい秩序を回復する計画が始動しているのです。神は、アブラハムとその父テラを選び出されました。しかし、テラは、目的地に着くことなく途中で安心して留まってしまいました。そしてテラはハランという町で死を迎えました。このような人を、「ハラン信者」と呼ぶそうです。神様によって召されたのに、途中で満足して、目的地に入ることが出来なかった人たちです。使徒パウロは、「私は、自分はすでに捕えたなどと考えていません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目指して一心に走っているのです。」と告白しています。
私たちも、神の子供たちとして、神のかたちに似るという目標を目指して、きょうも、ひたむきに前に向かって進みましょう。
清宣教師
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