創世記37章から50章まで、ヨセフが中心に話が展開する中で、38章は突然挿入されたような印象を受けます。やはり、どうしても、ヤコブの長子としてのユダに関して言及する必要があったということです。ヤコブの出生から言いますと、長子はユダではありませんでした。ご存じのようにルベンでした。そのあと、シメオン、レビでした。そして、次がユダでした(29章32節―35節)。しかし、ルベンとシメオンとレビの3人が父ヤコブに対して逆らい、罪を犯したため、長子の権利はユダに与えられました。それで、救い主イエス様の家系には、ユダの名前が登場することになります。
マタイによる福音書1章1節から3節の個所ですが、次のとおりです。「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図。アブラハムにイサクが生まれ、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブにユダとその兄弟たちが生まれ、ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、・・・・」そして、ダビデが生れます。
前述しましたが、37章~50章においては、ヨセフを中心に話が展開しますが、どうしても、このユダについては、言及する必要があったわけで、この38章に挿入されています。ところで、きょうの出来事を理解するには、当時のユダヤ教(まわりの国でも同じような習慣がありましたが)の規定を理解する必要があります。レピラト婚という制度です。次のような解説がありますので、紹介します。「ユダヤ教では、子をもうけないで死んだ長男があれば、次男は、長男の嫁と結婚して子をもうけねばならない、次男が、また子をもうけないで死んだ場合、さらに三男が兄嫁と結婚して子をもうけねばならない、という定めがありました。これをレビラト婚(レビレート婚・levirate婚・逆縁婚)と言います。レビラトは、ラテン語で夫の兄弟を意味するレビールから来ています。」
ユダには長子エルという息子がいました。しかし、主に対する罪を犯して死にました。それで、長子エルの嫁のタマルには子がいなかったので、長子エルの跡継ぎを生むために、次男のオナンにレピラト婚によりタマルの子を設けるようにしましたが、オナンは、結婚のかたちはとりましたが、実質的には拒否しました。それで、オナンもまた主に対する罪のゆえに死にました。3男のシェラはまだ小さかったので、シェラが成人したらタマルにレピラト婚を適用するとしていたのですが、シェラが成人しても、ユダは躊躇していて約束を果たしませんでした。それで、タマルは策略を用いて、義父のユダの子をもうけようとして、遊女のふりをして、義父のユダにより妊娠しました。そのあとの出来事は、24節―26節に記されています。義父のユダは、自分の非を認め、タマルが産んだゼラフとペレツを自分の子として認めました。こうして、アブラハム、イサク、ヤコブ、ユダ、パレス・・・という系図が成立したのです。創世記ではパレスと呼んでいますが、マタイの福音書では、同一人物をペレツと呼んでいます。
ところで、主は血筋を大切にされますが、同時に、主の選び(例えば長男のエサウではなく、次男のヤコブが選ばれている)、あるいは、本人が資格を失う(ルベン、シメオン、レビが罪のゆえに資格を失う)場合が記されています。主は血筋だけでなく、すべてのものをご覧になって決められるお方です。つまり、血筋ですべてが決まるのではなく、主の前に真実を尽くした人物は、異邦人(例、ルツ)であれ、遊女(ラハブ)であれ、イエス様の先祖の系図に加えられています。そして、一般の王様の系図なら隠しておきたいタマルの名前も、イエス様の系図に記されています。
主なる神様は、世間的にはどんなに非難されるような事情であれ、ひとりひとりの心をご覧になるお方です。そして真実に報いて下さるお方です。私たちが信じている神様、私たちが委ねている神様は、まことに真実なお方です。私たちの人生をおまかせすることができる唯一のお方です。
きょうも、真実なお方に、信頼して、落ち着いて生活しましょう。
清宣教師
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