36章1節は、35章10節からのモーセの命令の最後のことばです。ベツァルエルとオホリアブ、聖所の奉仕のすべての仕事をすることができる者たちはみな、主が命じられたすべての仕事をするようにと、モーセは締めくくりました。
2節~7節では、いよいよ、モーセの命令が実行に移されました。聖所の奉仕のためには、主が知恵を授けられた、心に知恵のあるものすべて、すなわち感動して、進み出てその仕事をしたいと思うものすべてが召されました。「知恵」「感動」「自発的に進み出ること」・・・これらの条件が満たされている人たちが聖所の奉仕の仕事のために召されました。そして、強調されていることは、イスラエル人は男も女もみな、自発的に奉納物をもってきたということです。その結果、聖所の建設のためには有り余るほどの奉納物が集まりました。もう、持ってこないようにと、民たちに告げる必要があったほどでした。キリストの体である教会も、私たち一人一人の自発的な進んで捧げる捧げものによって建てあげられるものですね。
36章8節から、再び、幕屋の詳細について説明がなされています。内容的には26章の内容と、かなり重複していますが、2度記すことにより、間違いがないようにしたものと思われます。まず、幕屋の幕のことです(8節~19節)。次に、聖所のアカシヤ材の板と台座と横木(20節~34節)、ついで仕切りの垂れ幕と入り口の構造です(35節~38節)。
まず、幕屋の幕から見ていきましょう。4つの幕は、キリストを象徴するものです。幕屋の一番内側にあるのが「撚り糸で織った亜麻布」でした。外から見ると一番遠い存在ですが、幕屋の内側で奉仕する祭司たちから見ると一番近い存在でした。撚糸で織った亜麻布は、主イエス・キリストのしみも傷もない、聖い人間性を象徴するものです。そして、祭司たちも亜麻布をまといました。「その亜麻布とは、聖徒たちの正しい行いである」(黙示録19章8節)と記されています。この世における「聖さ」を象徴するものです。それは青色と紫色と緋色の撚糸で刺繍されていました。青色とは、主イエス・キリストの人間性のうち、天に属する性格を示しています。主はベツレヘムで処女マリヤから生まれましたが、その特性は、生まれながらにして天に属するものでした。次に、紫色は、王の王、主の主としてのキリストの栄光を象徴するものです。なお、紫は皇帝の色でもありました。次に、緋色は、イスラエルの王としてのキリストの象徴です。マタイ27章において、ローマの兵卒たちがイエス様を嘲弄して、緋色の上着を着せて、「ユダヤ人の王様、万歳」と言いました。それから、これらの撚糸で織りだされたケルビムは、裁きを象徴しています。アダムとエバがエデンの園を追放されたときに、いのちの木を守るために置かれたのがケルビムでした。しかし、主イエス・キリストが私たちの身代わりに神の裁きを受けて下さったので、私たちは平安をもって父なる神の御前に出ることが許されています。そのことを表しています(8節)。
2枚目は、やぎの毛の幕でした(14節)。ヤギの毛の衣は、預言者を象徴するものでした。キリストは預言者でもあります(申命記18章15節、ヨハネ4章19節参照)。3枚目は、赤くなめした雄羊の皮のおおいでした(19節)。「覆い」はこの地上に現されたキリストの神性を示しています。任職の雄羊がいましたが、赤くなめしたということは、従順をあらわしています。キリストは、全生涯において、父なる神にまったき従順を示しました(へブル10章7節、マタイ26章39節)。
4枚目は、じゅごんの皮のおおいでした(19節)。ジュゴンとは、紅海にいるアザラシやイルカの堅い皮であったのではないかと考えられています。日の光や雨に対して丈夫な素材でした。幕屋の一番外側の覆いは、まさに、キリストが人々の間に現われた様子を示す型でした。イザヤ書53章2節、3節に記されている通りです。「彼には、私たちが見とれるような姿もなく、輝きもなく、私たちが慕うような見栄えもない。・・・」。
さて、幕屋(聖所)の板は、まっすぐに立てられました(20節)。アカシヤ材は人間性(20節)、銀の台座の銀は、贖いを表しています(26節)。贖いの台座の上に、まっすぐに立てられるのは、クリスチャン一人一人です。幕屋は、主イエス・キリストの象徴であり、また、神の家族であるクリスチャンの象徴でもあります。
きょう、私たちも、主イエス・キリストの贖いの土台の上に、私たちの新しい人生を建てあげる者として、天の父なる神様を真っ直ぐに見上げて生活しましょう。重力とは正反対の方向です。何もしなければ、重力の支配で倒れてしまいます。しかし、贖われた御国の子として、まっすぐに、立ちましょう。
清宣教師
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