6章1節~7節は、マソラ聖書では、5章20節~26節となっており、「罪過のためのいけにえ」の項目に含まれている。
さて、6章8節~7章38節までは、「アロンとその子らに命じて言え」となっております。つまり、祭司による奉献についての規定です。
祭司は、日常の奉仕として、神の民を代表して、日ごとに奉献する奉仕がありました。次の通りです。
1.全焼のいけにえ(6章9節~13節)。2.穀物の捧げ物(6章14節~18節)。3.全焼の穀物の捧げ物(6章20節~23節)。4.罪のためのいけにえ(6章25節~30節)。5.罪過のためのいけにえ(7章1節~6節)。6.祭司の取り分(7章7節~10節)。7.和解のいけにえ(7章11節~36節)。
まず、①全焼のいけにえ。これは常供(じょうく)のいけにえと言われる犠牲です。朝ごとに、夕ごとに、祭壇のうえに、全焼のいけにえをささげ、一晩中、祭壇の火は燃え続けさせなければなりませんでした。つまり、イスラエルの国民と主との契約の中心的ないけにえの奉献でした。その意味は、契約が絶たれることがないことを意味していました。全焼のいけにえの脂肪の灰を取りだすまでは、祭司の装束をする必要があったが、宿営の外に運び出すためには、別の通常の服に着替える必要があった。そして、また、灰捨て場から戻って、聖所で奉仕をする時には、祭司の服に着替えたと思われます。②穀物の捧げ物。これは祭司がイスラエルの民全体のための常供の捧げ物である(6章14節)。記念の部分とされて祭壇の上で焼いて煙にした残りの部分は、最も聖なるものとして、祭司である男子だけが、種を入れないパンとして焼いて、聖所の庭で食べることが出来ました。つまり、祭司たちは、主の食卓からのパンによって養われていることになります。③全焼の穀物の捧げ物。「油注がれる日」については、諸説があり、定まっていません。おそらく、すべての祭司が任職される日ということかも知れません。任職された祭司が、常供の穀物の捧げ物(7章20節)として捧げるように命じられています。これは祭司たちも食べてはいけないものでした(23節)。④罪のためのいけにえ。ここは奉献者によってではなく、祭司によって、公的な奉献として捧げられる罪のためのいけにえと考えられます。捧げる祭司はその肉を食べるように命じられています(26節)。その肉に触れる者はみな聖なるものとなる、と記されています。また、土の器、青銅の器についての措置が記されています。この肉は、最も聖なるものに分類されており、祭司たちのうち、男子はみな、これを食べることが出来ました。しかし、祭司と全会衆のためのいけにえは、4章2節~21節に記されているように、脂肪以外のすべてを宿営の外の灰捨て場で焼かなければならないもので、食べることは禁じられた(6章30節)。
祭司たちは、毎日、イスラエルの民を代表して、主の前で奉仕をする任務が与えられていました。それは祭司としての任務であり、特権でもありました。
実は、私たちクリスチャンも、ペテロの手紙、第1の2章9節にしるされているように、主の祭司です。「ですから、私たちはキリストを通して、賛美のいけにえ、すなわち御名をたたえるくちびるの果実を、神に絶えずささげようではありませんか。」(へブル人への手紙、13章15節)。
きょう、わたしたちも、主に仕える祭司として、常供の賛美のいけにえを、主に捧げましょう。主よ。あなたをほめたたえます。あなたこそ、私たちの救い主、王の王、主の主であられます。
清宣教師
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