昨日の9章に続いていますが、10章1節~10節では、前進開始の合図としての銀のラッパについて記されています。普通のラッパは、雄羊の角から作った角笛(ショーファール)を用いますが、ここでは銀製の打ち物作りのラッパを使用するように命じられています。10章11節~14章45節には、シナイからカデシュまでの旅について記されています。その中で、今日の10章11節~28節においては、前進の隊列について、その順序と部族長のリストが記されています。29節~32節においては、モーセが、ミデヤン人レウエルの子、ホバブに対して、道案内を引き受けるように懇願しています。しかし、ホバブがモーセの提案を受け入れたかどうかに関しては記されていないので、不明です。33節~36節においては、主の山、シナイ出発について、記しています。
さて、いよいよ、準備をして待ちに待った行軍の日が到来しました。10カ月と20日間、滞在していたシナイの荒野を旅立ちました。ラッパが吹き鳴らされました。「第2年の第2月の20日、雲があかしの幕屋の上から離れて上った。それで、イスラエルは荒野を出て旅立った。」この個所を読むと、力が湧いてくるように思います。出発に際して、モーセは「主よ。立ち上がってください。あなたの敵は散らされ、あなたを憎む者は、御前から逃げ去りますように。」と宣言しました。日本の武将であれば、「いざ、ものども、出陣じゃ」というところですね。
こうして、主の山のふもとに宿営していたイスラエルの各部族は、整然と隊列を組んで出発しました。まず、先頭は、契約の箱でした(33節参照)。続いて、ユダの宿営(東側の3部族)、レビ人のゲルション族とメラリ族、次に、ルベンの宿営(南側の3部族)、次いで、レビ人のケハテ族、次いでエフライムの宿営(西側の3部族)、最後がダンの宿営(北側の3部族)という順番でした。レビ人たちの順序も、秩序正しいものでした。ゲルション族とメラリ族が、先に宿営地について、幕屋などの設備を整えたあとに、ケハテ族の人たちが到着して、その設備のなかに、聖なる器具をおさめたのです。
最初に出発してから、3日ののち、契約の箱が留まり、民たちが宿営の準備を始めるまえに、モーセは、契約の箱を前にして「主よ。お帰りください。イスラエルの幾千万の民のもとに。」と宣言しました。
なお、ホバブが、モーセの願いを聞き入れて、道案内の役目を果たしたかどうかは不明ですが、33節を読む時に、宿営地を探したのは、ホバブではなく、主の契約の箱、つまり、主ご自身であったことが分ります。モーセがどうして、あれほど、ホバブに懇願しているのか理由は不明です。おそらく、ホバブも一緒に行って幸いを得て欲しいという強い願いが、そうさせたのだと思われます。
私たちのクリスチャン人生は、荒野の旅に象徴されます。約束の地である天の御国を目指しての旅です。主が共にいてくださいます。きょう、主が共におられます。主は決してあなたを見放すことはありません。主よ、きょう、私たちひとりひとりに勝利をあたえてください。一歩、前進させてください。しかし、留まるにしても、進むにしても、主の御心の通りにして下さい。主のご計画こそ、私たちにとって最良、最善であることを知っていますから。
清宣教師