今日の個所は、イスラエルの民が、カナンの約束の地に入る前に、自分たちが相続すべき境界線が示されています。
ここは、皆様の聖書の後ろにある参考資料が役に立ちます。2枚目の「12部族に分割されたカナン」という地図を参照して下さい。
まず、南の境界線は、エドムに接するツインの荒野です。東の端は「塩の海」、西の端は、エジプト川に沿い、地中海の海岸に至るラインです。地図の南の境界線にほぼ、一致するようです(3節~5節)。
次に、西の境界線は、地中海の海岸線です。これも、地図の西側の海岸線に一致します(6節)。
次に、北の境界線は、西の地中海の海岸線から、レバノン山脈のホル山をへて、レボハマテ、ツェダテ、ジフロン、ハツァル・エサンという地名が登場しますが、その地名が、どこにあるのか、特定されていません。ただ、分ることは、地図にあるイスラエル北部のアシェル、ナフタリ、ダン、マナセの北側の境界線よりも、かなり北に位置する地名であると考えられます。つまり、主なる神がモーセに告げられた北側の境界線は、この地図のダマスコより、ずっと北にあるべきものでした。しかし、イスラエルの民は途中で、占領するのを止めて、満足してしまったようです(7節~9節)。
次に、東側の境界線は、ハツェル・エナンからシェハム、リブラ、そして塩の海、さらに、さらにヨルダン川に沿って南下して、塩の海の北端までということになります。おおよそ、キネレテの海(のちのガリラヤ湖)から塩の海(死海)に至るヨルダン川が、東の境界線でした(10節~12節)。
ここで示された境界線の中に、9部族半の相続地を割り当てるためには、くじを引くように命じられました。2部族半はすでに約束されたようにヨルダン川の東側に相続地を取っていました(13節~15節)。
次に、祭司エルアザルとヌンの子ヨシュアの名前が、筆頭に記されています。それから、10部族の族長たちの名前が記されています。この順番をみると、地図にしるされている南の部族から始まり、北の部族で終わることが分ります。まず、ユダ部族、エフネの子カレブ。シメオン部族、アミフデの子サムエル。ベニヤミン部族、キスロンの子エリダデ。ダン部族、ヨグリの子ブキ。マナセ部族、エフォデの子ハニエル。エフライム部族、シフタンの子ケムエル。ゼブルン部族、パルナクの子エリツァファン。イッサカル部族、アザンの子パルティエル。アシェル部族、シェロミの子アヒフデ。ナフタリ部族、アミフデの子ペダフエル。こうして、イスラエルの12部族には、それぞれにふさわしい相続地が割り当てられました(16節~29節)。
詩篇16篇には、次のような賛美が記されています。ダビデのミクタムという表題がついています。「主は、私へのゆずりの地所、また私への杯です。あなたは、私の受ける分を、堅く保っていてくださいます。測り綱は、私の好む所に落ちた。まことに、私への、すばらしいゆずりの地だ」(5節~6節)。ここで、「ゆずりの地」とは、イスラエルの各部族に割り当てられた相続地を指しています。その土地分割に際して、レビ人だけは、相続地を与えられませんでした。レビ人の相続は、主ご自身だったからです。ところで、主ご自身を相続するという幸いですが、これは目に見えるものではないので、真の信仰者にのみ理解できる幸いです。肉のクリスチャンではなく、御霊に満たされたクリスチャンだけが理解できる事柄です。肉のクリスチャンとは、生まれつきの性質をもったままのクリスチャンです。御霊に満たされたクリスチャンとは、古い生まれつきの自我に死んで、聖霊によって新しく生れ、日々、聖霊によって歩んでいるクリスチャンの事です(ガラテヤ人への手紙5章16節~26節参照)。御霊の実を相続する者はなんと幸いなことでしょう。イエス様に留まって、豊かな実を結ばせてください(ヨハネの福音書、15章4節~5節)。
清宣教師