当時は、男子の生殖器を切り取り、宦官とする制度がありました。そのようなことがあってはならないと禁じられています。創造の秩序に従うことが求められています(1節)。そのほか、不倫の子、アモン人とモアブ人の子たちが主の集会に加わることを禁じています(2節~6節)。エドム人やエジプト人については、三代目には主の集会に加わることが許されています(7節、8節)。しかし、今でいえば、子に罪はなく、差別として批判される事がらですが、当時の状況下での戒めの一つと考えられます。新約時代に入った今では、誰もが、キリストにあって、神の集会に加わることが出来るようになりました。キリストを信じる者は、イスラエル人も、異邦人も、分け隔てなく、永遠の天の御国の住民となることが保証されています。
次に、イスラエルの民が出陣した時に、陣営を聖く保つための注意が記されています(9節~14節)。また、当時の国と国との間の条約では、お互いに逃亡奴隷を引き渡すという条項が入っていたようです。その意味では、イスラエルは、他国との条約を結ぶことを禁じられていたと思われます。奴隷に対して、しかも逃亡奴隷に対して、とても、思いやりのある指示が書かれています。その背景には、イスラエルの民が、かつて、エジプトで奴隷であったということが関係しています(15節~16節)。神殿男娼や神殿娼婦を固く禁じています。当時の国々では、偶像礼拝と神殿男娼や神殿娼婦は、密接な関係にありました。偶像を礼拝することは、神殿男娼や神殿娼婦と性的に交わることを意味していたのです。イスラエルの神は、そのようなことを忌み嫌うお方であることを明確に示しています(17節、18節)。イスラエルの民たちの間では、金銭の貸し借りや食物の貸し借りにおいて、利息をとってはならないと命じています。創造主を信じる民とは、このように、日常の生活において、神のみこころを実践する民なのです。(19節、20節)。当然のことですが、みずから誓願したことは、遅れずに果たさなければなりません。もし出来ないなら誓願をやめることです(21節~23節)。
最後に、興味のあることが記されています。「隣人のぶどう畑にはいったとき、あなたは思う存分、満ち足りるまでぶどうを食べてもよいが、あなたのかごに入れてはならない。隣人の麦畑の中にはいったとき、あなたは穂を手で摘んでもよい。しかし、隣人の麦畑でかまを使ってはならない。」(24節、25節)。おそらく、貧しい人たちや旅人たちのための規定であると思われます。土地は創造主からの贈り物であり、太陽の光も、季節の雨もまた、創造主からの贈り物です。それを他者の必要のために分かちあうことは、神の民としてふさわしいことでした。しかし、同時に、所有者のために、「籠に入れたり」、「鎌をつかう」ことは禁じられています。収穫物は、本来、所有者のものであり、それを損なってはならないからです。イエス様の弟子たちも、旅の途中で、この恵みに預かりました。マタイの福音書12章1節に、次のように、記されています。「そのころ、イエスは、安息日に麦畑を通られた。弟子たちはひもじくなったので、穂を摘んで食べ始めた。すると、パリサイ人たちがそれを見つけて、イエスに言った。『ご覧なさい。あなたの弟子たちが、安息日にしてはならないことをしています』」。この箇所は、申命記23章25節の規定を知らない日本人からすると、他の人の畑のものを盗んだように見えます。それで、パリサイ人が、イエス様の弟子たちを咎めたと思い込んでしまいます。しかし、申命記23章25節に規定されているように、旅人がひもじくなり、穂を摘んで食べることは、許されていたのです。ここで、パリサイ人が咎めたのは、穂を摘んでもむことが、仕事にあたるというのです。つまり、安息日には、なんの仕事をしてもならないのに、弟子たちは安息日に仕事をして、安息日の戒めを破っているとイエス様に訴えたのです。パリサイ人たちのあら探しです。申命記の規定の真意を無視したパリサイ人たちの態度です。偽善者パリサイ人の特徴が良く表れている個所ですね。
日常の細部まで、貧しいものや旅人たちのことを思いやる創造主のみこころを感謝します。わたしたちも、ときに、パリサイ人たちのような、あら探しをしてしまうものです。主のみこころの深さ、豊かさを理解して、寛大な人、気前の良い人になりましょう。創造主は無限に気前の良いお方だからです。きょう、気前の良いところを見せましょう。
清宣教師
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