新しい指導者ヨシュアは、約束の地を攻略するにあたって、ひそかに、二人の斥侯を遣わしました。前回は、モーセが、民たちの要求に従って12人の斥侯を約束の地に遣わしましたが、彼らの不信仰のゆえに、失敗した事例があります。ここでは、ヨシュアは、信仰のしっかりした者、二人を選んで遣わしたものと思われます。
イスラエルの宿営は、ヨルダン川の東側、約12キロメートルのシティムにありました。一方、エリコは、ヨルダン川の西側約8キロメートルのところにあった城壁のある要塞の町でした。エリコは難攻不落の町のように思えました。そこで、ヨシュアは、この町の城壁や防御について情報を得るため、二人の斥侯を遣わしたのです。二人の斥侯は、ひそかに、シティムを出発して、エリコを偵察しました。まずは、人目につかない遊女の家に入りました。その遊女の名はラハブという名前でした。
一方、エリコの王は、イスラエルの民が近づいてくるのを知って、エリコの町の中にも、外にも、ひそかに、情報網をはっていました。そして、イスラエルのある者たちが、エリコの地をさぐるために、入国したという報告が届きました。そこで、エリコの王は早速、最も警戒が手薄な遊女の家に狙いをつけました。そして、遊女ラハブのところに人を遣わして、イスラエルの斥侯たちを連行するように命じました。すると、遊女ラハブは「確かに、その人たちが来ましたが、その人たちがどこから来たのか知りません。その人たちは、日が暮れて暗くなると、城壁の門が閉じられるころ、出て行きました。急いでいけば、今なら追いつけるでしょう」と言ったのです。それで、王から遣わされた家来たちは、急いで、城門を出て、ヨルダン川の渡し場の方へ向かいました。
じつは、遊女ラハブは、ひそかに、イスラエルの斥侯たちをかくまっていたのです。つまり、屋上にふたりを連れて行き、屋上で干している亜麻の茎の束の中に、彼らを隠したのです。その理由について、遊女ラハブは、次のように言っています。「主がこの地をあなたがたに与えておられること、私たちはあなたがたのことで恐怖に襲われており、この地の住民もみな、あなたがたのことで震えおののいていることを、私は知っています。あなたがたがエジプトから出て来られたとき、主があなたがたの前で、葦の海の水をからされたこと、また、あなたがたがヨルダン川の向こう側にいたエモリ人のふたりの王シホンとオグにされたこと、彼らを聖絶したことを、私たちは聞いているからです。 私たちは、それを聞いたとき、あなたがたのために、心がしなえて、もうだれにも、勇気がなくなってしまいました。あなたがたの神、主は、上は天、下は地において神であられるからです。」というまさに、信仰の告白でした。遊女ラハブは、聡明な女性でした。偏見なしに物事を判断することが出来る女性でした。このような神は、他にいない。真の神であると悟ったのです。それで、ラハブはさらに、斥侯たちに「どうか、私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、主にかけて私に誓ってください」と懇願しました。そこで、ラハブと斥侯たちの間に、契約が結ばれました。二人の斥侯は、遊女ラハブの適切なアドバイスもあり、イスラエルの宿営に無事に帰り、すべてのことを指導者ヨシアに報告しました。
この時の出来事を通して、のちに、遊女ラハブは、ダビデ王の先祖の家系に名を連ねることになります。さらには、イエス・キリストの先祖の家系に名を連ねることになるのです。「異邦人」の「遊女」が、ダビデ王やキリストの先祖の家系に名を連ねるなどということは、誰にも想像できないことです。この出来事を読むときに、誰にでも、チャンスがあるということを知ります。そのカギは、「真実」です。ラハブは言いました。「どうか、私があなたがたに真実を尽くしたように」と述べています。主は真実なお方ですから、真実に対しては、分け隔てなく、真実をもって対応されるのです。そこには、異邦人とか、遊女とか、そういう差別はないのです。
きょう、私たちも、真実(誠実)が、私たちの品性のひとつとなるように求めましょう。真実(誠実)を尽くす人になりましょう。そのために、すべての恐れを捨てましょう。主が見ておられるのです。
清宣教師
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