いよいよ、カナンの地で相続地の割り当てが開始されました。そのやりかたは、モーセが健在だったときには、モーセひとりで行いました。しかし、後継者のヨシュアのときには、ヨシュアと祭司エルアザルと各部族の一族のかしらたちが立ち合うことになりました。ヨルダン川の東の土地については、すでに、モーセが2部族とマナセの半部族への割り当てを完了しておりました。いま、ヨルダン川の西の地域については、主がモーセを通して命じられたとおりに、9部族とマナセの半部族のかしらたちに、くじを引かせて、相続地を割り当てました。ただし、レビ族には相続地は与えませんでした。
ところで、くじによる割り当てに先立って、ユダ族のカレブがヨシュアに対して、ヘブロンの地を要求しました。これは、くじびきではなく、例外的な措置として、認めて欲しいという要求でした。その理由は、45年前に、イスラエルの民がエジプトを出て、荒野を旅していた時のことです。モーセは、カナンの地に、12人の斥侯たちを遣わしました。そのひとりがユダ部族のカレブでした。カレブは他の11人の斥侯たちと共に、カナンの地を探りました。そして、偵察から帰ってきたとき、ほかの10人は、カナンの地には巨人たちがおり、自分たちは入ることが出来ないと報告しました。カレブは、ヨシュアと共に、主がお与えになるのだから、カナンの地を占領できると主張しました。ところが、民たちは、カレブを殺そうとしました。民たちは、カナンの地に入るのを恐れたのです。それで、イスラエルの民は、40年間、荒野をさまようことになりました。
しかし、カレブは、そのとき、モーセを通して、主からの約束をいただいていたのです。そのことを、45年後のいま、ヨシュアの前に持ち出したのです。じつは、45年前、カレブがカナンの地を偵察した時、カレブはヘブロンの地を偵察しました。そこにはアナク人の巨人たちが住んでいましたが、カレブは、主にあってヘブロンの地を占領できる、と告白したのです。それに対して、主は「あなたの足が踏んだ地は、あなたとあなたの子孫の地となる」と約束されたのでした。だから、いま、カレブが自分の足で踏んだヘブロンの地を、自分と子孫に相続させてほしいと要求したのです。これに対して、ヨシュアは、カレブを祝福し、その地をカレブの相続地として与えました。
カレブは、ヨシュアに対する訴えの中で、自分はいま85歳になるけれども、戦争にも、日常の義務を果たすにもなんら差支えない、と自分が壮健であることを主張しました。そして、その主張は、偽りではなく、文字通り、壮健だったのです。この年になっても、アナク人の巨人たちを恐れず、信仰を持って、ヘブロンの地を勝ち取ったのです。そして、その地に戦争はやんだのでした。
ところで、最近、「100年時代の人生」ということばが流行しています。平均寿命が延びて、100歳になる人は、日本でも6万1千人を超えるようになりました。それで過去の人たちが考えた「老いの過ごし方」などは、現代では通用せず、新しい人生戦略が必要だ、という主張がなされています。それが、いま、「100年時代」という新語が流行している理由のようです。クリスチャンにとって、カレブのような生き方は、まさに100年時代の人生を生き抜いた人です。それにしても、日々、御霊に満たされた人生を送りたいですね。私の100年時代の人生のライフシフトは「その人は水路のそばに植わった木のようだ。時が来ると実がなり、その葉は枯れない。」(詩篇1篇3節)。
清宣教師