昨日の16章までで、12人の士師の記録は完了し、今日の17章から21章までは、付録として付け加えられたものです。ふたつの事件を通して、この士師の時代の特徴を如実に示しています。それは、偶像礼拝に陥ったイスラエルの実態を示しています。つまり、イスラエルの霊的な堕落とそれに伴う社会的な無秩序、無法状態です。
さて、エフライム出身のミカが登場します。彼は、母親の銀千百枚を盗みました。しかし、あるとき、そのことを母親に正直に告白しました。すると、母親は、その息子を祝福しました。息子のミカは、母親に自分が盗んだ銀千百枚を返しましたが、母親はそれを聖別して主に捧げると誓いました。そして、銀200枚を銀細工人に渡して、彫像と鋳像を造らせました。それで、ミカは、エポデとテラフィムを作り、自分の息子のひとりを任命して、自分の祭司としました。このような当時の社会の特徴を、次のようなことばで表現しています。「そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」(17節)。
さて、ユダの氏族に属するひとりの若者がいました。彼はレビ人で、旅を続けてエフライムの山地のミカの家まで来たとき、ミカの目に留まり、ミカの家の祭司として雇われました。その報酬は、銀十枚と衣服を一揃い、それに生活費を、毎年支給するというものでした。それで、このレビ人は、その家の祭司となり、ミカの息子の一人のようになりました。そこで、ミカは「私は主が私をしあわせにしてくださることをいま知った。レビ人を私の祭司に得たから」と言っておりました。
ミカはエフライム族の一員であり、レビ人ではなかったので、本来、祭司となることは律法により固く禁じられていましたが、ミカも母親もまったく、律法を知らないのか、律法を守る意思がないのか、自分勝手な判断で、鋳造やエポデを造らせています。それでも、自分たちがやっていることは、偽りであることを少しは知っていたのかもしれません。本物のレビ人に出会うと、喜んで大枚をはたいて、祭司として雇います。ある意味、ミカは霊的な飢え渇きがあり、このレビ人に祭司になってもらい、霊的な指導者として恵みをうけたかったように思われます。しかし、レビ人が祭司になる条件を満たしているのではなく、祭司になる条件を満たしているのは、アロンの直系の子孫に限られていました。ここでも、ミカは曖昧な自分勝手な知識で、レビ人を祭司にしてしまいました。それにもかかわらず、ミカは、ミカなりに、主は私を幸せにして下さった、と告白し、自己満足していました。これが、17節に記されている、「そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」という実例として、紹介されているのです。
私たちのまわりにも、宗教的な人、宗教に熱心な方がおられます。しかし、もしも自分の知識の範囲で、自分勝手に判断するなら、自己満足に終わってしまうことになります。それは明日の18章で明らかになります。天と地と海と水の源を創造されたお方が、私たちの神です。創造主は、自然界(ご自分の作品)と聖書(ご自分のことば)を通して、ご自分の計画や願いや秩序を明らかにしておられます。私たちは、その神の啓示を通して、神のみこころを知ります。それをないがしろにして、一部の知識だけで、自分勝手に判断することは、「めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」という霊的盲目と無法状態にあることになります。聖書全体の学びが、私たちの判断の土台となります。きょう、私たちの1日1章の学びを祝福して下さい。主のみこころの全体を、バランスよく、理解することができるように、祝福して下さい。
清宣教師
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