カルメルから北へ5キロくらいのところにあるジフの住民たちは、ダビデの一行に対して好意を示したカルメルの住民とは異なり、徹底して、サウロ王の側につく人たちでした。それで、ダビデの行動を逐一、サウル王に報告していました。ダビデの居所に関する情報を得たサウル王は、またもや、ダビデ討伐のために、3千人の精鋭を率いてジフの荒野に向かいました。サウルは林の中に陣を敷き、将軍アブネルと親衛隊がサウル王を守っていました。ダビデはひとりで行動し、サウル王が眠っている所を確かめました。ダビデは、家来たちの中から自分と同行するものを募りました。そして、アビシャイがダビデと共にサウルの陣営に忍び込みました。
もし、見つかれば、サウル王を殺しに来たということで処刑されるに違いありません。熟睡しているサウル王とアブネルたちですが、ダビデは今回も、「主が油注がれた方に手を下すなど、主の前に絶対できないことだ」(11節)と言い、サウル王の枕元にあった槍と水差しとを取ってその場を去りました。主がサウル王と家来たちを深い眠りに陥れたので、ダビデとアビシャイは無事、サウルの陣営を抜け出すことが出来ました。24章の場合とは異なり、今回は、ダビデは万一の場合、容易に逃げることが出来る距離をはかり、遠く離れた山の頂上から、将軍アブネルに話しかけました。お前たちは、油注がれた王であるサウル王を安全に守る任務を怠った、本来、死罪に値するものであると宣告しました。そして、サウル王のまくらもとにあった槍と水差しを探すように命じました。ダビデは、サウル王を殺すことが出来たにもかかわらず、手を下さなかったという実際の証拠を示して、自分の無実をサウロ王に訴えました。また、主の譲りの地から追い払うことのないように切実に訴えました。サウル王は、心を動かされて、自分の愚かさを謝罪しました。ダビデは、若い者の一人をよこして、王の槍を取りに来るように命じました。それから、ダビデは自分の旅をつづけ、サウルは自分の家に帰って行きました(25節)。
今回もサウル王に追い詰められましたが、ダビデの生き方がぶれなかったのは、凄いことです。油注がれた王であるから、手をくだすことなど絶対に出来ないという生き方です。それゆえに、主はダビデのいのちを守られました。主のみこころに従う時、主は守り、祝福して下さいます。
きょう、聖書から教えられることは、私たちも、主から与えられている原則、信仰の土台に立って行動するようにということです。ダビデは自分のいのちが狙われているにもかかわらず、主が油注がれた者に手を下すことはできない、として信仰の土台に立って行動しました。私たちも、聖書から教えらえれている世界観、価値観に土台を置いて生きることが求められています。自分に不利になるか利益になるか、という判断の基準ではなく、主が求められている生き方は何か、という土台にたって判断することです。これが、ダビデの生き方でした。主よ。私たちの目を開き、主の御計画をハッキリと見ることが出来ますように。主が示してくださっている原則に堅く立ち、そこから、ぶれることがないように導いて下さい。
清宣教師
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