年が改まり、再び、アモン人との戦いが再燃しました。ダビデは、北方の大敵アラムとの戦いに勝利し、いまや、天下泰平の世になっていました。そのせいか、ダビデはイスラエルの全軍をアモン人との戦いに送り出しましたが、自分は宮殿に残っておりました。いままでのダビデは、つねにイスラエルの軍勢と共に先頭に立って指揮をとっていました。しかし、時代の流れというか、ダビデ王家が揺るがないものとなり、ダビデの心の中にも変化が起こって来たようです。王たる者がわざわざ、戦場に出向く必要がないと考えたようです。そして、宮殿の床のなかで、ぬくぬくと、夕方まで眠っていたのです。そして、床から起きて王宮の屋上をあるいていたとき、ふと、ひとりの女がからだを洗っているのを見つけました。それがきっかけとなり、ダビデは、人を遣わし、その女の事を調べさせて、その女を王宮に召しいれ、その女と寝た(4節)と記されています。そして、その女は自分の家へ帰っていきました。これで、ダビデの一時的な過ちとして終わるように見えました。しかし、しばらくたってから、その女から、ダビデの子を身ごもったという知らせが入りました。そこで、ダビデは、その女の胎に宿った子が、ダビデの不義の揺るがない証拠となることを恐れたのでしょう。なんとか、その証拠を消そうとしました。そして、その女の夫であるウリヤを戦場から呼び戻して、家で休むように言い渡しました。ウリヤが家に帰って妻と寝るなら、女の胎に宿った子が夫の子であると認知されるからです。ところが、ウリヤは、イスラエルの兵士たちが、戦場において苦しい戦いの中で、野営しているのに、自分だけが柔らかいとこで妻と寝ることなどできない、と言ってダビデの申し出を丁重に断りました。こうして、ダビデは自分のした不義の証拠を消すことが出来ず、ついに、ウリヤを暗殺することにしました。そして、ダビデは将軍ヨアブに、ひそかに手紙をだして、敵の手にウリヤを打たせて、実質的に、ウリヤの暗殺を果たしました。ウリヤの死後、喪があけると、ダビデはウリヤの妻を、自分の妻として迎え入れ、彼女は男の子を産みました。聖書は、「しかし、ダビデの行ったことは主のみこころを損なった」(27節)と記しています。振り返りますと、ダビデは王宮に留まり、あたたかいベッドで、昼間から眠りについていました。一方、ウリヤはイスラエルの軍勢が戦場で野営しているのに、自分はやわらかなベッドでぬくぬくと寝ることが出来ないと拒否して、自分の家には帰らず、戸外で野宿しました。対照的な二人の態度です。また、ダビデは、将軍ヨアブに対して、暗殺を命じたことにより、以後、ダビデはヨアブに自分の弱みを握られることになりました。
今日の個所から教えられることですが、世の権力者のつねですが、自分の地位が安泰になると、自分の欲望のままに生きるようになります。残念ですが、ダビデもまた、世の権力者の道をたどったのです。前にも記しましたが、聖書は、苦難の中ではなく、大成功をおさめたあと、大事業を成し遂げたあとこそ、その人の本性が表れることを示しています。ダビデは、苦難の連続の中では見事に信仰者として、人格者として生き抜きました。しかし、天下の大事業を成し遂げた時、滅びの落とし穴に落ち込んで行きました。しかも、その国の最大の権力者となったダビデに対して、誰も、もはや批判や警告をあたえるものは、なくなりました。みな、ダビデの支配下にあったからです(ただし、次の章で、ダビデの支配下ではなく、主のしもべである、主の預言者が行動を開始します)。クリスチャンも、出発点は、謙遜で信仰的に歩みます。でも、いつのまにか、安定してくると、高慢になり、自分中心の生き方になってきます。そして、教会や指導者の信仰のありかたを批判したりします。しかも、自分の姿には気が付かないのです。恐ろしい罪の力です。このような誘惑から救われるように、お互いに、きょうも、祈り合いましょう。
清宣教師
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