昨日の6章の終わりに、主の神殿が完成したという記述があります。それは7年の歳月がかかりました。そして、今日の7章に入ると、ソロモンの宮殿が13年かかって完成したことが記されています。それは当時とても高価な建材であったレバノンの木材がふんだんに使われていました。それで、「レバノンの森の宮殿」という名前でも呼ばれていたようです。そして、13節から、再び、主の神殿の建設について記しています。ここから示されることは、主の神殿の建設とソロモンの宮殿の建設は、ひとつのものとして考えられていたということです。神殿と宮殿を併せると、20年の歳月を要したことになります。宮殿は、神殿の南側にほぼ隣接して建設されました。それはエルサレムが、イスラエル王国の首都であり、王の宮殿があるところであり、同時に、宗教の中心である神殿のあるところである、ことを意図していたと思われます。また、ソロモンの神殿はイスラエルの民の全体の礼拝の場所であると同時に、ソロモン王の王宮に付属する王立礼拝所としての意味をもっていたのではないかと考えられています。イスラエルの王の存在は、神殿の存在を抜きにしてはありえないからです。13節から、主の神殿の建設の記述が再開されますが、そこには神殿建設の中心的な役割を担う人物として、ツロから呼び出されたナフタリ族のやもめの子であるヒラムが紹介されています。このヒラムは、5章1節に登場するツロの王の名前と同じですが、まったくの別人です。彼は、神殿の正面に位置するところ、すべての人の目に留まるところに、大きな青銅の2本の柱を設置しました。右側の柱を「ヤキン」と名づけ、左側の柱に「ボアズ」という名をつけました。これは、「彼は設立する」「力をもって」という意味でした。彼とは、ソロモンのことを意味するとも考えられますが、同時に、神ご自身という意味にとることも可能です。そのほか、鋳物の海、青銅の洗盤など、青銅をふんだんに用いて、当時の最高の技術を駆使して、神殿が建てられました。神殿の中で用いられる器具はすべて、純金製でした。こうして、ダビデが準備し、ソロモンが実行に移した神殿の建設という大事業が完成しました(51節)。
きょうの個所を読んで、主のために神殿を建てようというビジョンを与えられた方がおられるかも知れません。現代においては、主の宮、教会は建物のことではありませんが、福音を宣教して、新しい教会の群を建てあげるということは、とても大事な仕事のひとつです。あるいは、クリスチャンの群が集まる会堂建設のビジョンが与えられた方もおられるかも知れません。主がそのビジョンを祝福して下さいますように。じつは、次の8章において、ダビデが「そう心がけていた」(8章18節)と記されています。実際にはダビデは神殿を建てることが出来ませんでしたが、ダビデはいつも、そのことを心がけていたのです。そして、そのことは、主のみこころにかなったことでした。新しい教会の群を形成したいという開拓伝道の思い、あるいは、新しい会堂を建設したいという思いは、主の前に喜ばれるものです。そして、その思いが、主に覚えらえて、実現へ向かって動き出すのです。
清宣教師
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