きょうの2章では、ダビデは自分の死の日が近づいたのを悟り、息子のソロモンに対して遺言を残します。その内容は、主の戒めを守り、主の道を歩むようにとの遺言でした。しかし、一方で、ヨアブの処置について指示しました。裏で暗躍するヨアブの存在は大きく、ソロモンの治世にとっても不安定な要素となることを懸念したに違いありません。また、恩を受けたバルジライの子たちには恵みを施すように指示しました。また、ベニヤミン人シムイのことは知恵をもって処罰するように指示しました。こうして、ダビデは死に、ダビデの町に葬られました。
ソロモンが王となり、王位が確立しました。しばらくたって、アドニヤが動き出しました。それは、みずから墓穴を掘るような行動でした。状況は変化していたのですが、アドニヤの心の中、あるいは考え方が、まったく、変わっていなかったためでした。15節に記されていますが、アドニヤは、自分の現状について、「王位は私のものであるはずであり、すべてのイスラエルは私が王となることを期待していました。しかし、王位は転じて弟のものとなった」という見方しか持てなかったようです。客観的には「アドニヤは、本来、謀反の罪で処刑されるべき身であったのに、恵みによって生かされている」というのが正しい考え方でしたが、それが出来ないために、ソロモン王により、アドニヤは謀反の志ありとみなされて、処刑されてしまいます。それに伴い、祭司エブヤタルは祭司職を解任され、ヨアブは処刑されました。それからしばらくして、シムイが契約に違反した罪で処刑されました。これらの一連の出来事を通して、ダビデ王が懸念していたことがみな解決されました。その結果、2章の最後にしるされているように、王国はソロモンによって確立しました(46節)。
今日の個所から教えられることは、二人の人物が、恵みによって、その罪を赦されたのに、恵みを恵みと思わず、感謝を忘れてしまった結果、せっかくのいのちを失ってしまったことです。そのふたりとは、アドニヤであり、シムイでした。私たちクリスチャンも、罪人でした。しかし、神の御子イエス様の恵みによって罪赦されて、新しいいのちをいただきました。それにもかかわらず、その救いを軽く扱い、神のみこころを無視するなら、いのちを失うことになるのです。高慢は滅びに先立つと記されています。せっかく、赦された大切ないのちです。最後まで、感謝を持って歩むことこそ、主に栄光をお返しする人生です。
清宣教師
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