北イスラエルの王となったエフーは、サマリヤにいるアハブの70人のこどもたちのことで、イズレエルの長老たちやアハブの子の養育係に手紙を送りました。「この手紙が届いたら、すぐ、あなたがたの主君の子どもの中から最もすぐれた正しい人物を選んで、その父の王座に着かせ、あなたがたの主君の家のために戦え。」と記されていました。しかし、この手紙を見た長老たちや養育係は、非常に恐れて、「私どもはあなたのしもべです。だれをも王に立てるつもりはありません。あなたのお気に召すようにしてください。」と返事をしました。そこで、エフーは再び彼らに手紙を書いて「もしあなたがたが私に味方し、私の命令に従うのなら、王のこどもたち70人の首を取り、私のもとに持って来るように」と返答しました。そこで、長老たちと王の子どもたちの養育係は、それを実行しました。そこで、エフーは、みせしめに、それらの首を積み重ね、朝まで町の門の入口に置いておきました。そのあと、エフーは民たちに対して、「あなたがたには罪はない。しかし、これらの者を皆殺しにしたのはだれか。」と長老たちや養育係の罪を糾弾し、アハブの家に属する者をひとりも残さず処刑しました。これは預言者によって伝えられた、アハブの家は滅びるという、主の預言が成就するためでした。そのあと、エフーはサマリヤへ行く途中、親族の安否を心配して訪ねてきたユダの王アハズヤの身内の者たちに出会い、彼らをみな、処刑しました。ここでは、エフーは、主から命じられたわけではないのに、暴走してしまったと推測されます。
さて、エフーは、バアル礼拝を根絶やしにするために、一計を案じます。そして、エフーは民全部を集めて、「アハブは少ししかバアルに仕えなかったが、エフーは大いに仕えるつもりだ。バアルの信者でこの清めの集会に列席しない者は、だれでも生かしてはおかない。」と布告しました。そして、当日、バアルの信者たちがみな、バアルの清めの集会のためにバアルの宮に入ったことを確認した時、エフーは、近衛兵と侍従たちに命じて、バアルの信者たちを剣でみな殺させました。さらに、バアルの宮を壊し、これを公衆便所としました。このように、エフーは、主に従う器のように見えますが、じつは最後までヤロブアムの罪(べテルとダンの金の子牛を礼拝する罪)から離れませんでした。それで、主は、イスラエルの領土を外国の敵の手に渡し始められました。エフーは28年間、イスラエルの王でした。そのあと、エフーの子のエホアハズが王となりました。
このようにして、エフーはアハブの王家を滅ぼし、バアル崇拝をイスラエルから一掃しました。そこで、主はエフーに仰せられました。「あなたはわたしの見る目にかなったことをよくやり遂げ、アハブの家に対して、わたしが心に定めたことをことごとく行ったので、あなたの子孫は四代目まで、イスラエルの王座に着こう。」(30節)。ここでは、エフーが主の命に忠実に従った功績に対する褒美のように見えます。しかし、一方、同じ旧約聖書のホセア書1章4節では、以下のように記されています。「主は彼に仰せられた。『あなたはその子をイズレエルと名づけよ。しばらくして、わたしはイズレエルの血をエフーの家に報い、イスラエルの家の王国を取り除くからだ。』」。ここでは、イズレエルでアハブの子70人を殺害した罪が、エフーの罪として問われているようにみえます。エフーは、主に熱心でしたが、結局、自分の判断で事を進める人でした。それでは主のしもべとは言えません。単なる熱心ではなく、主との交わりがカギなのです。
イエス様は、御父の判断に委ねて、すべてのことを行われました。そして、私たちのために祈って下さいました。「 わたしはもう世にいなくなります。彼らは世におりますが、わたしはあなたのみもとにまいります。聖なる父。あなたがわたしに下さっているあなたの御名の中に、彼らを保ってください。それはわたしたちと同様に、彼らが一つとなるためです。・・・また、彼らもわたしたちにおるようになるためです。そのことによって、あなたがわたしを遣わされたことを、世が信じるためなのです。またわたしは、あなたがわたしに下さった栄光を、彼らに与えました。それは、わたしたちが一つであるように、彼らも一つであるためです。わたしは彼らにおり、あなたはわたしにおられます。それは、彼らが全うされて一つとなるためです」(ヨハネ17章11節~23節抜粋)。
清宣教師
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