10章では、北イスラエルの王、エフーのことが記されていましたが、続く11章と12章では南ユダの王、ヨアシュのことが記されていました。今日の13章では、再び、北イスラエルに焦点が合わされています。前にも述べましたが、聖書は北イスラエルと南ユダ王国について2本の糸を拠り合せるようにして、その歴史を記述しています。神の前には、もともとひとつの民であり、神の憐みの中にあることを意味しています。
さて、エフーの死後、その子のエホアハズが北イスラエルの王に即位しました。エホアハズは17年間、サマリヤで治めました。その間、北イスラエルの初代の王であるヤロブアムが考え出した偶像礼拝(ダンとべテルに金の子牛を設置して、これを主への礼拝とし、更に、自分勝手に祭司を任命し、祭日を定めた)をやめることなく、主に対して罪を犯し続けました。主はこの罪を重く見られ、主からの刑罰として、外敵にイスラエルを攻めさせました。具体的には、アラムの王の手にイスラエルを渡されました。イスラエルの民は、アラムに圧迫され苦しみの中にあり、エホアハズは、主に向かって助けを叫び求めました。それで、主はひとりの救いの手を与えられたので、イスラエルはアラムの支配を脱しました。ところが、エホアハズは、ヤロブアムの罪を離れないで、偶像礼拝の罪を犯し続けたので、主はイスラエルをアラムの手に渡しました。その結果、エホアハズにはごくわずかの軍隊しか残されませんでした。こうして、エホアハズは死に、その子のヨアシュが北イスラエルの王となりました。それは南ユダ王国のヨアシュ王の治世の37年目のことでした。ここでも、北イスラエルと南ユダに、同じ名前の王が誕生するので、混同しないように注意が必要です。北イスラエルの王、ヨアシュは、先の王たちが歩んだようにヤロブアムの罪から離れませんでした。そして、時は流れ、預言者エリシャが死の病を患っているとき、ヨアシュがエリシャを見舞いました。ヨアシュはエリシャの上に泣き伏して、「わが父。わが父。イスラエルの戦車と騎兵たち」と叫びました。ヨアシュ王は、主の預言者エリシャに対して、無視したり、敵視したりしていましたが、偉大な預言者が死の床にあることを知った時、ドッと不安が押し寄せたようです。やはり、心の底では、主の預言者エリシャにより頼んでいたようです。そこで、エリシャが王に、弓と矢を取り、射るように命じました。ヨアシュ王が矢を射ると、エリシャは「主の勝利の矢。アラムに対する勝利の矢。あなたはアフェクでアラムを打ち、これを絶ち滅ぼす。」と宣言しました。さらに、「それで地面を打ちなさい」と命じました。そこで、ヨアシュ王は三回、矢で地を打ってやめました。エリシャは、「あなたは、五回、六回、打つべきだった。そうすれば、あなたはアラムを打って、絶ち滅ぼしたことだろう。しかし、今は三度だけアラムを打つことになろう。」と預言しました。このエリシャの預言の通り、エホアハズの子ヨアシュは、その後アラムに三度勝利し、アラムが奪い取った町々を、取り返しました。それから、預言者エリシャの骨のことで、ひとつのエピソードが記されています。人々が、ひとりの人を葬ろうとしていたちょうどその時、略奪隊を見たので、その人をエリシャの墓に投げ入れて去ると、その人の遺体がエリシャの骨に触れるた瞬間、その人は生き返り、自分の足で立ち上がったのでした。エリシャは死んでも、主の栄光のために用いられました。ハレルヤ! 23節には、主は、彼らを恵み、あわれみ、顧みて、「今日まで彼らから御顔をそむけられなかった。」と記しています。主は恵み深く、あわれみ豊かな神様です。主は、御顔をそむけられないお方です。イエス様は、罪人、遊女、取税人、幼子たちからも、顔を背けられませんでした。むしろ、わたしのもとに来なさい、と招いて下さるお方です。イエス様の膝の上に座った小さなこどものように、素直に、イエス様に応答しましょう。
清宣教師
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