この記事を記したのがいつなのか、ハッキリは分りません。ただ、エリシャのしもべのゲハジが、健康であったときのことなので、ナアマン将軍の癒しがあった時よりは、前の出来事と考えられます。ところで、かつて、エリシャがシュネムの女のこどもを生き返らせたことがありました(第2列王記、4章32節~37節参照)。その頃、7年間の飢饉に見舞われることが神の前に定まっていたので、エリシャはしばらくの間、他の場所に逃れることを勧めました。そこで、シュネムの女の家族は、ペリシテの地に逃れて、7年間、滞在しましたが、イスラエルの地の飢饉の期間も過ぎたので、再び、イスラエルの地に帰ってきました。そして、イスラエルの地にある自分たちの嗣業の家と畑を返してもらうために、王のもとに来たのでした。ちょうど、エリシャに仕えるゲハジが、王のもとで、エリシャの働きの数々を王に対して話していた時でした。その中に、シュネムの女のこどもを生き返らせた奇蹟が含まれていました。それで、ゲハジは、シュネムの女に気が付き、王に対して、この女がエリシャの手で子供を生き返らせてもらった女です、と紹介しました。王は、シュネムの女から、直に、エリシャの奇蹟について聞くことが出来ました。そして、シュネムの女が願った通りに、彼女の家と畑を返すように取り計らいました。それだけでなく、7年間、その畑で収穫した物をみな返すように取り計らいました。
シュネムの女は、エリシャの勧めに従い、イスラエルの土地を離れたわけですが、7年後に帰ってみると、自分の家も畑も他人のものとなっていたのです。シュネムの女にとってみれば、神の人のアドバイスに従ったのに、どうして、こんな結果になるのか、と思ったことでしょう。しかし、すでに、王の前にゲハジがおり、シュネムの女の事を証ししていたので、自分の家や地所を手に入れただけでなく、7年間の土地の収穫物を手に入れたのです。主のご計画は完璧であり、おまけまでついて来たのです。主は恵み深いお方です。
さて、アラムの王ベン・ハダデは病気になっておりました。それで、側近のハザエルを呼び寄せて、エリシャのもとへ贈り物を持って行き、自分の病気が直るかどうか、尋ねて欲しいと命じました。それで、立派な贈り物を携えて、エリシャのもとへ行きました。すると、エリシャは不思議な答えをしました。「行って、『あなたは必ず直る』と彼に告げなさい。しかし、主は私に、彼が必ず死ぬことも示された」というのです。そして、エリシャはハザエルに対して「主は私に、あなたがアラムの王になると、示されたのだ。」と語りました。ハザエルは、自分の主君のところに帰り、「あなたは必ず直る」とエリシャが語ったことを伝えました。しかし、翌日、ハザエルは毛布を取って、それを水に浸し、王の顔にかぶせました。こうしてアラムの王ベン・ハダデはあっけなく死にました。そして、ハザエルが王となりました。
一方、南ユダ王国では、ヨシャパテの子ヨラムが王となりました。北イスラエルの王の名前もヨラムなので混乱しないように注意が必要です。南ユダ王国のヨラムは、8年間、エルサレムを治めました。しかし、その治世の内容は、北イスラエルの王たちの偶像礼拝の道を歩むものでした。ヨシャパテは善王でしたが、その子のヨラムは悪王でした。なぜ、一代で背教へと転じたのでしょうか。聖書は、その理由を、ヨラムの妻がアハブの娘であったからである、と指摘しています。しかし、主は、ダビデに免じて、ユダを滅ぼすことを望まれませんでした。ヨラム王が死んだあと、彼の子アハズヤが代わって王となりました。それは北イスラエルの王ヨラムの治世の12年目のことでした。アハズヤは22歳で王となりましたが、エルサレムでの治世はわずか一年でした。彼の母の名はアタルヤといい、北イスラエルの王オムリの孫娘でした。アハズヤは、アハブ家の婿になっていたので、アハブの家にならって悪事の限りを尽くしました。そんなとき、アハズヤは、北イスラエルの王であるアハブの子ヨラムとともに、アラムの王ハザエルと戦いました。しかし、ヨラムは負傷して、その傷をいやすため、イズレエルに帰って来ました。それで、アハズヤは、アハブの子ヨラムを見舞いにイズレエルに下って行ったのでした。
イエス様は、良い木は良い実を結ぶこと、一方、悪い木は悪い実を結ぶこと、という単純な事実を指摘されました。良い木が悪い実を結ぶことはないし、悪い木が良い実を結ぶことはありません。悪と善が手を結ぶことはありえないのです。私たちの交わりにおいても、バウンダリーが必要です。クリスチャンが麻薬や不正な儲け話、不品行、偽善などと手を組むことはありえないのです。
清宣教師
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