バビロン捕囚から帰還したイスラエルの民たちの再建の中心であるエルサレムに住みついた人たちのリストが掲載されています。エルサレムには、ユダ族、ベニヤミン族、エフライム族、マナセ族の人たち、そして、祭司やレビ人たちが住みつきました。詳しくはネヘミヤ記11章に記されていますが、帰還した民たちの中から、10人に1人を選んでエルサレムに住むようにしました。なぜなら、エルサレム自体は、天然の要塞ですが、農業や牧畜業には向いていない土地でした。ですから、多くの人はエルサレムの外の地域に住んでいました。しかし、神殿を守るためにも、祭司やレビ人たちを中心にエルサレムに住むことになったのです。主への礼拝を重んじる祭司やレビ人たちの具体的な仕事の内容が記されています。つまり、門衛、宝物蔵の管理、聖所の器具係、香料の調合と手鍋の仕事、歌うたいなどです。遠くバビロンの捕囚の地から帰還した人たちですから、祖国の再建を願う人たちでした。そこに共通する、ひとつの願いは、まず、エルサレムを再建することでした。周囲の敵の反対を受けながらも、なんとか、城壁を再建し、エルサレムを人が住める場所にしていきました。しかし、それは並大抵の苦労ではなく、年数を経るにつれて、失望や落胆の沼に陥れられるようになりました。そのような中にあって、もう一度、エルサレム帰還の初心を忘れずに、再建に取り組むように、この系図を記していると思われます。
教会を建てあげる働きも、地味ではありますが、ひとりひとりの役割があり、それを忠実に果たす兄弟姉妹によって建てあげられていきます。西多賀教会も今年40周年ですが、最初のベンソン先生御夫妻、ピーズ先生、そして、八幡正弘牧師先生御夫妻のご苦労がありました。それが、受け継がれ、今日に至っています。そして、10周年、20周年、30周年記念誌に、ご苦労された方々の働きが記されています。これからも、主によって召された兄弟姉妹の手によって、西多賀教会が建てあげられていくことを覚えます。幼虫が脱皮して、さらに成長するように、私たちの教会も成長し、発展していくことを願って、ご一緒に祈っていきたいと思います。
清宣教師