歴代誌、第2に入りました。「ダビデの子ソロモンは、ますます王権を強固にした。主は彼と共におられ、彼を並はずれて偉大な者とした」(1節)ということばで始まっています。まさに、ソロモンによる、イスラエル全盛時代の治世が始まりました。ソロモンは王権を引き継ぐと、まず、ギブオンの高き所に、全イスラエル、千人隊長、さばきつかさ、一族のかしらなど、すべての分野で上に立つリーダーたちを引き連れて行きました。そこにはモーセが荒野で作った神の会見の天幕があったからです。そこで、主の天幕の前に青銅の祭壇を置いて、いけにえを捧げて、礼拝を捧げました。その夜、主なる神がソロモンに現われて「あなたに何を与えようか。願え。」と言われました。ソロモンは、民たちを裁くことが出来る知恵と知識を、主に求めました。夢の中で即答できたのは、いつも、民たちを治めるために、何が必要であるか、そのことでソロモンの心がいっぱいだったからと思われます。主は、ソロモンの願いを聞き入れられました。富や財宝あるいは長寿を求めずに、民たちを治めるための知恵と知識を求めたことは、主のみこころにかなったことでした。それで、知恵と知識の他に、富と財宝を与えるとの神様からの約束をもいただきました。そして、文字通り、それが実現しました。銀と金はありあまり、まるで石のように多く集まってきました。、また、ソロモン王は、高価な杉の木材も、安価なイチジク桑の木のように用いることが出来ました。馬も、戦車も手に入れました。そして、エジプトと北方のアラムの中間地点にあるイスラエルの地理的な利点を生かして、貿易を行い、多大な財産を手に入れることが出来ました。
こうして、ダビデからソロモンへと世代が交代しました。ダビデは戦いの勇者であり、戦時における最高の司令官でしたので、周囲の敵を打ち負かし、平和を確立しました。一方、ソロモンは、平和な時代の繁栄をもたらす王でした。つまり、外交的にも、商業的にも、文化的にも、知恵と知識があり、イスラエルの国を豊かな国へと築き上げました。こうしてみると、次世代へのバトンタッチは、それぞれの指導者の賜物を生かすものであり、それは民たちにとっても益となるものでした。
教会においても、次世代へのバトンタッチをためらうことなく、主のご計画にゆだねる姿勢が必要です。そして、それを支えるのは、教会全体の祈りです。教会は、御国の民が集まる所です。ですから、この世の神であるサタンのたくみな攻撃を受けています。ダビデも、ソロモンも、優れた指導者でしたが、欠点もありました。それが致命的になるか、致命的にならないか、その差は、教会全体として祈りの姿勢にあると考えます。牧師や執事役員、顧問の方々のために祈りましょう。
清宣教師