ソロモン王は、ある程度、人事や財政の面において安定すると、国家的な大事業に着手しました。ひとつは、主の宮の建設(神殿の建設)、もうひとつは、王宮の建設でした。いずれも、大事業でしたが、ソロモンは年齢的にも若かったので、ふたつの大事業を、国家の指導者のビジョンとして掲げました。もしも、ダビデであったなら、自分の年齢もあり、ふたつの国家的プロジェクトを掲げる余裕はなかったかも知れません。やはり、若いということは、長期的なビジョンを掲げるには適していると思われます。さて、ソロモンは、荷役人夫7万人、山で石を切り出す者8万人、かれらのリーダーとして3千6百人を徴収しました。具体的な徴収の方法については、後述します(17節、18節)。さらに、ソロモン王は、ツロの王フラムのもとに使いを遣わして、主の宮(神殿)建設の趣旨を説明して、技術にたけた人たち、また、レバノンの杉の木材などを調達したいという願いを伝えました。その見返りとして、彼らの食糧はもとより、その報酬を含めて、十分な手当てをすることを約束しました。それに対して、ツロの王フラムは、熟練工、職人の長フラムを派遣すること、必要なだけのレバノンの杉の木材を送ることを約束しました。さて、ソロモンは、あらかじめ国内の在留異国人の調査をしておりました。その数は15万3千6百人でした。それで、その中から、荷役人夫として7万人、山で石を切り出す者として8万人、かれらのリーダーとして3千6百人を割り当てることにしたのです。このように、ソロモン王は、用意周到というか、主から与えられた知恵と知識を用いて、具体的な準備を進めていきました。
主が計画を立てられる時は、あらかじめ、必要な人材、必要な財を備えておられます。しかし、初めは人の目には見えない形で隠されています。そして、時が来たときに、その人材や蓄財が明らかになるのです。主が地に隠された人材や財宝を、必要に応じて、私たちの目に明らかにしてくださいますように。そして、主の宣教のわざが進展しますように。
清宣教師