この詩篇は46篇10節の拡大・展開であり、次の詩篇48篇へと続くものであると考えられています。エルサレムに住まう主は、アッシリアを敗走させた全世界の王であられることを、ほめたたえています。シオンに住まいを定められた神こそ、当時の大帝国アッシリアの軍勢を敗北させたことにより、全世界の王であることを明らかに示されたのだから、諸国はこの真の王である大王に従うべきであると主張しています。Ⅰ-4節は、真の王である大王賛美への呼びかけ。5-7節は、全地の王への賛歌。8-10節は、全地の王の主権と統治という内容から成り立っています。そして、この詩篇47篇は、詩篇48篇の「大王の都」へと続いていく流れの中にあると考えられています。最後の10節の「地の盾」とは、不思議な表現ですが、これは地上の支配者を指しており、その意味は、支配者とは、民を守る盾の務めを、主なる神から託されているものである、ということです。教会に備えつけの賛美集「ミクタム」には、この個所を歌詞にした賛美が2曲も、載っています。ひとつは岩淵まことさんの作曲で「かみにほめうたをうたえ、ほめうたをうたえ」(6節、7節)です。「神は喜びの叫び(聖歌隊の賛美)の中を、主は角笛の音(ブラスバンドの賛美)の中を上って行かれた。」(5節)。この聖句について、注解者は、主イエス・キリストの昇天の勝利を預言した詩篇であるとしています。
今日の聖書箇所から教えられることは、最後の10節の「地の盾」です。地の盾とは、直接的には国や国民を守る指導者たちのことです。これを私たちクリスチャンに適用することも出来ます。つまり、私たちも神の者として、家族の盾となり、職場の盾となり、日本の国の盾となり守る、執り成しの祈りの働きです。日本のすべての国民が、創造主を知り、創造主を礼拝する民へと変えられますように。
清宣教師