詩篇108篇の前半の1節~5節は、詩篇57篇の7節~11節とほぼ同じです。そして、108篇の後半の6節~13節は、詩篇60篇の5節~12節とほぼ同じです。すでに発表された二つの詩篇が、合体して、新しい詩篇として誕生したのです。こういうこともあるのか、関心のある方は、確かめてみてください。さて、内容的には、この詩篇の作者は、直前まで、10節~12節に記したように、敗北と敵の挟み撃ちにあって嘆きの中にあったようです。しかし、7節~9節に記されているように、神の聖所から神の約束をいただきました。だから、いまは、「神よ。私の心はゆるぎません。」(1節)、そして、天の上にまで及ぶ神の恵みを思い出し、雲にまで及ぶ神のまことを思い起こすことが出来たのです。こうして、1節~5節の感謝と賛美が心から湧き上がってきたのです。
今日の聖書箇所から教えられることは、今、直面している問題や仕事の解決のためのアイディアですが、この詩篇108篇のように、すでに与えられている二つのものを合体させたら、解決の道、あるいは、新しい発見があるかも知れませんね。実は、これまでの新しいアイディアは、すでに存在していた二つのアイディアがぶつかってひとつになったことから生まれたものが多いと言われています。
清宣教師