今日の詩篇も、「都上りの歌」という表題がついています。内容的には、捕囚からの解放が告げられて間もない頃の喜びを歌っています。捕囚の民は解放された喜びに満ちていましたが、まわりの国々の民の中には、イスラエルの民の帰還を快く思わない国もありました。また、国土は荒廃していました。その意味では、帰還した民に託されている使命は種まきでした。1節―3節は、捕囚からの帰還。「主がシオンの捕われ人を帰されたとき、私たちは夢を見ている者のようであった。そのとき、私たちの口は笑いで満たされ、私たちの舌は喜びの叫びで満たされた。そのとき、国々の間で、人々は言った。『主は彼らのために大いなることをなされた。』主は私たちのために大いなることをなされ、私たちは喜んだ。」。4節は、執り成しの祈りです。「主よ。ネゲブの流れのように、私たちの捕われ人を帰らせてください。」。ネゲブの流れは、ワディ(乾季には水の枯れる川)ですが、秋(雨期)になると濁流となって流れます。そのように、まだ各地に残る、多くの捕囚の民がイスラエルの地に帰ることを願い、嘆願しています。5節ー6節は、喜びの前に涙がある。「涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取ろう。種入れをかかえ、泣きながら出て行く者は、束をかかえ、喜び叫びながら帰って来る」。いまは、種まきのときである。さまざまな苦労の中で涙して種をまく時である。そうすれば、将来、必ずや、大きな喜びをもって収穫する時が来る。まとめてみますと、イスラエルの民は、バビロンの地で、70年にもわたる捕囚の生活に終止符が打たれるときが来ました。それはまさに奇跡としかいいようがありません。これと同じようなことは、1948年のイスラエル共和国の誕生の時に起こりました。みな、その奇蹟によろこび、全世界が驚きました。しかし、今でも、イスラエルの民は、全世界に離散しているイスラエルの民が、祖国イスラエルに戻るように、執り成しの祈りを捧げています。また、そのために、イスラエルの政府は、具体的な種々の政策を実施して、種まきを続けています。詩篇126篇は、その意味で、預言的な詩篇ということも出来ます。イスラエルの民が、全世界からエルサレムの神殿に礼拝のために集うことを思いつつ、都上りの歌として、覚えられているのだと思われます。
今日の聖書箇所から教えられることは、私たちも涙と共に種をまくなら、収穫の喜びにあずかるという真理です。種まきの準備は黙々として、ひたすら、悪いタネを除き、夾雑物を除き、最も良いタネだけを選び揃える地味な作業です。しかし、種まきに心と力をいれるなら、必ずや収穫という神のみわざを見る時が来るという、この詩篇126篇のみことばは、いまの私にとっても、大きな励ましです。進化論一辺倒の畑に、良く準備して創造論宣教の種まきをするとき、多くの人が偽りの進化論から解放されて、創造主のもとへ立ち返る劇的な瞬間をみることが出来る、という神の約束の御言葉です。
清宣教師
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