エレミヤ書18章18節を見ると、3種類の人々が記されています。知恵ある者(はかりごと)、律法(祭司)、預言者(ことば)です。ユダヤ人にとって、祭司の原型はモーセ、律法の原型は十戒、知恵ある者の原型はソロモンでした。箴言1章1節には、ソロモンの箴言と表題がつけられています。ユダヤ人にとって知恵ある者は、ソロモンなので、この表題がつけられました。しかし、ソロモンが作ったものではないものも含まれています。列王記、第1、4章29節、30節を読むと、ソロモンは、3千の箴言を作ったと言われています。1章1節~7節は、箴言全体の序論、1章8節~9章18節は、知恵に関する訓戒(特徴は、「わが子よ」という呼びかけです。これは教師が弟子に語るときのことばです)、教師たちのことばです。10章1節~22章16節までが、ソロモン自身の箴言です。ここには374の箴言がおさめられています。つまり、3千のうちの374ですから、ソロモンが作った箴言の10分の1程度です。22章17節~24章34節までは、知恵ある者のことばです。25章1節~29章27節は、ヒゼキヤ王の時代の宗教改革により、再発見されたソロモンの箴言をおさめたものです。30章1節からは、アグルのことば、31章1節からはマサの王、レムエルのことばです。箴言は、たしかに、大部分は、ソロモンの箴言ですが、他の人も書いています。また、ソロモンの作った箴言の一部にしか過ぎないことも分ります。