この4章のテーマとして、ある人は「知恵がもたらす幸福」という題名をつけています。内容的には、大きく分けると3つの内容になります。まず、1節~9節が、「愛情に満ちた父親の勧め」。次に、10節~19節が、「知恵の道と悪の道」。最後が20節~27節で、「全身全霊を込めて求めるべきもの」、です。
最初の段落の1節では、「子供らよ」と複数形になっています。それで、家庭での食事の後、あるいは、安息日の礼拝の後、子どもたちを前にして、愛情深い父親が語りかけている光景が思い浮かびます。父親の隣では母親が微笑みながら子供たちを見守っています。現代の家庭ではなかなか見られなくなりましたが、家庭の原点の光景ですね。2番目の段落では、「道」のイメージが中心になっています。「知恵の道」、「正しい道」、「悪者どもの道」、「悪人たちの道」、「義人の道」、「悪者の道」などです。別の訳では、「真っ直ぐな道」、「曲がりくねった道」、「でこぼこ道」、「明るい道」、「暗い道」などと訳されています。3番目の段落では、20節で「耳」、21節で「目」と「心」、22節で「いのち」と「全身」、23節で「心」と「いのち」、24節で「口」と「くちびる」、25節で「目」と「瞼」、26節で「足」、27節で「足」というように、体のあらゆる器官が総動員されています。頭だけの信仰ではなく、口先だけの信仰告白は許されない、という明確なメッセージが伝わってきます。
今日の聖書箇所から教えられることは、ひとつは、日本では失われつつある家庭の原点(家庭礼拝)の回復のために祈ることです。もうひとつは、23節「力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく。」と記されています。きょう、ともに、自分の心を見張りましょう。
清宣教師