1節で強調されていますが、礼拝する時は、自分の足に気を付けよう。私たちの頭で礼拝をすることは危険である。自分の足元、自分の歩み、自分の生活に気を付けなければならない。頭の中では本当の礼拝を捧げていると思っている。しかし、自分の生活は他人の生活となんら変わらない。広い道を歩んでいる。それは自己満足の礼拝であり、自己満足の宗教であり、空しい。このように、1節―7節は、宗教の中に空しさを見たものであり、神礼拝がなかば習慣化し、宗教的な義務として機械的に守られている姿に空しさを覚えているようです。礼拝において1番大切なことは、「近寄って聞くこと」であると述べています。ところが、犠牲を捧げて満足したり、誓願を立てて満足したり、口先だけの祈りなどで満足している姿に、空しさを覚えているのです。8節―9節は、政治の中に空しさを見たものです。下級官吏から上級管理まで私利私欲の連中がうごめき、富が巨大な力を持つ姿に、空しさを覚えています。貧しい者も虐げられることなく農地を耕し、豊かに暮らせる生活こそ、理想的であるが、そのような有徳の王を見出すことは難しい。これもまた空しいことです。
10節―14節は、富のむなしさを見たものであり、金銭を愛する者は金銭に満足しない(10節)。金銭を愛する者とは、富を人生の目標、生きがいとしている人間のことです。そういう人には、満足というものがありません。財産がふえると、そこに寄ってたかる人、騙そうとする人、奪おうとする人が寄ってくるので、せっかく富をもっていても、安眠することが出来ません。15節―17節は、人間は必ず死に直面する。どんなに富を得てもそれを死後の世界にもっていくことは出来ません。何も持たずに、この世を去るのです。17節の「食事をする」とは「生きる」という意味です。「一生、やみのなかで食事をする」とは、人生に生きる意味を見いだせず、希望も見いだせず、空の空なる一生を過ごす人たちです。18節―20節は、闇の中に光があることを見出した人たちのことです。
今日の聖書箇所から教えられることは、8節~17節に描写されている「やみ」は、「日の下」での神なき人生の闇でした。しかし、18節―20節では、「神」ということばが4回も出てきます。つまり、神との正しい関係にあると、人々は「日の下」の闇の中に、神の光を見出すのです。神が与える喜びは人生の空しさを吹き払い、人は、感謝と喜びの日々を経験することができるのです。
清宣教師
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