伝道者の書、最終章に入りました。求道者は、この「日の下」で、まことに価値のあるものを求めて探求してきました。しかし、得られませんでした。それで、最終章に入り、「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。」(1節)と勧めます。天地万物、そして、私たちもみな創造主の手による被造物です。ここで、「あなたがた」と言わずに、「あなた」のと言いました。若いうちに、個人的に、人格的に、創造主を知ることを勧めています。そのあとは、なぞなぞのような例えを用いています。みなさん、分りましたか? 災いの日、何の喜びもない年月とは、老年を指しています。2節の意味は、太陽も月も星も暗くなる、雨期の後に雨雲が覆う暗い日々も老年期を指しています。3節:[家]とは「体」のこと、「家を守る者」とは「肋骨、わき腹」のこと、「力のある男たち」とは「背骨、あるいは足」のこと、「粉ひき女たち」とは「歯」のこと、「窓からながめる女」とは「視力」のこと、いずれも、老年になり、衰える体の特徴を表している。4節:「通りのとびら」とは「耳」のこと、「臼をひく」とは「胃袋の消化活動」のこと、朝の眠りが浅く、鳥の声に起き上がる。「歌を歌う娘たちがうなだれる」とは「声が思うように出なくなる」こと。5節:「高い所を恐れる」とは老年になると転びやすくなり、「出歩くことも恐れるようになる」こと。「アーモンドの花は咲き」とは、アーモンドの花が真っ白に咲くように、「白髪になること」、「ふうちょうぼくは花を開く」とは、「性欲や食欲を刺激する薬剤として知られている、ふうちょうぼくは花を開いて、もはや無力になる」、「永遠の家」とは「墓、死」のこと、「嘆く者たち」とは「老人たちの死を嘆くもの」。6節:「銀のひも」と「金の器」は、「ともし火皿」のこと、ともし火皿(ランプ)が吊り下げられている銀のひもが切れると、金の器も壊れて、中にある油がもれて、ともし火が消えて真っ暗となる。「水瓶」や[泉]の「水」とは「いのち」、砕かれ、滑車が壊されると、もはや、誰も水を汲むことは出来なくなる、「死の訪れ」を詩的に表現しています。7節:肉体は土のちりから造られているので、地に帰る。霊は、これをくださった創造主なる神に帰る。8節:伝道者の書の1章2節のことば、「空の空」というメッセージを復唱する。9節―14節:自分自身が体験したこと、倫理的、宗教的価値観などを求め、民たちを教えてきた。11節:本書の効用は、「突き棒」のようである。つまり、羊たちを突いて、正しい道に進ませる棒の役割、良く打ちつけられた釘のように、しっかり、固定する働きをする。そして、最終結論:神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。なぜなら、神はすべての隠れたことについて、すべてのわざをさばかれるからだ。「日の下」では、矛盾だらけに見えることも、空しく見えることも、全知全能なる神が、すべてを御存じであり、すべてのことを正しく裁き、報いを与えられるからだ。伝道者の書は、「人間は、創造主である神のもとへ返って、はじめて、真の人間となるのである。」と結論付ける。
今日の聖書箇所から教えられることは、未信者、信者を問わず、まず、自分自身が創造主の作品であることに気づいてもらうことの重要性です。真の人間のアイデンティティを見出してもらうことです。そこから、新しい人生が開けてきます。これこそ、創造論伝道の目的です。
清宣教師
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