雅歌は、ヘブル語では、シール(歌) ハッ(冠詞)・シ―リーム(歌の複数形)と言います。英語では、song of songs と言います。もともとの原題は、「歌の中の歌」、最高の歌という意味です。著者はおそらく、ソロモンと思われます。なお、不思議なことに、雅歌の中には、「神」ということばも、「主」のお名前も一度も記されていないことです。それなのに聖書の中に納められています。
雅歌をどのように理解するか、主に、4つの受け止め方があります。1.比喩として解釈する。花婿が神で、花嫁がイスラエルの民と理解する。2.キリストの予型として解釈する。実際の歴史的な事実(ソロモンの結婚を祝う歌)を通して、来たるべき救い主を予め型として示している。3.比喩ではなく、そのまま受け止める。つまり、創造の初め、男と女は祝福の基であったので、男と女の純粋に愛を描いたものとして理解する。4.劇詩として解釈する。歌劇の舞台に登場する男と女の愛の物語。以上の4つです。
ここでは、最後の歌劇の舞台で演じられているものとして解釈します。これには、二人説と3人説があります。二人説は、ここに登場するのは、花婿(ソロモン)と花嫁(シュラムの女)のふたり、あとは、背後にいる合唱隊です。3人説は、羊飼いの男性と恋する女性、それにソロモン(この場合は、二人の仲を引き裂こうとする悪役)の3人と合唱隊となります。しかし、ソロモンが自分自身を悪役として登場させることは考えにくいので、ここでは、花婿(ソロモン)と花嫁(シュラムの女)の二人説の立場で、解釈していきます。
清宣教師