雅歌が難しく感じられるのは、誰が、このことばを言っているのか分りにくいことです。ここでは、前のメールに記しましたが、花婿(ソロモン)と花嫁(シュラムの女)と合唱隊(エルサレムの娘たち)として見ていきます。演劇の脚本のように、それぞれの節、あるいは段落の頭に、そのセリフをいう人の名前を記しておくと、とても、分りやすくなります。誰のセリフかを見分けるには、次のようにします。9節のように「わが愛する者よ。」と呼びかける時は、花嫁に呼びかける花婿のことばです。一方、12節のように「私の愛する方」と呼びかける時は、花婿に呼びかける花嫁のことばです。そうすると、以下のようになります。なお、ここでは、まだ結婚していないので、将来の花婿と花嫁という関係になります。
花嫁(2節~7節):3節、ここでは、恋人ソロモンの人格的な魅力を香りとしている。4節、シュラムの女が恋焦がれている気持ち。5節、合唱隊に向かって尋ねる。ゲダルの天幕は黒い色の天幕だった。6節、兄弟たちがいきりたって、自分を畑の見張りをさせたので、日焼けして、黒くなってしまった。7節、愛する恋人に会いたい、どこにいるのか、教えてほしい。
合唱隊(8節):エルサレムの娘たちの合唱です。シュラムの女の質問に答えています。羊の足跡についていって、その人と、一緒に、子ヤギを飼いなさいよ。
花婿(9節―11節):ソロモンがシュラムの女の美しさを、エジプトの王の戦車の雌馬に例えて賞賛しています。
花嫁(12節ー14節):シュラムの女が、王と宴の席で、二人だけでいる喜び、あなたは、わたしの乳房の間にある匂い袋(没薬の袋)のように、昼も夜も、私の心臓の一番近くにいます。あなたは、死海の沿岸のエンゲディのぶどう畑の中でひときわ高くそびえるヘンナ樹の花房のように高貴です。恋人のソロモンをほめている。
花婿(15節):恋人の「ソロモン」が答えている:あなたの目は鳩のようだ。素直で美しい。
花嫁(16節―17節):二人は、杉の木や糸杉のある野外の木の下で座っている。あたかも自分の家のように。恋人を慕い、幸せを表現している。
今日の聖書箇所から教えられることは、主が人を神のかたちに創造されたとき、男と女とに創造されました。お互いに愛する関係となるためでした。それは来たるべきキリストと教会の予表でもありました。私たちと救い主キリストを結ぶのはアガペーの愛です。「いつまでも残るものは、信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛(アガペー)です。」(コリント人への手紙、第1、13章13節)。
清宣教師