今までは、「ああ」ということばは、不信仰なイスラエルの民に対しての嘆きと怒りでしたが、ここでは、異邦の民、つまり、イスラエルの敵に対して投げかけられていることばです。ここでは具体的な敵の名はあげられていませんが、多くの注解者は、アッシリヤを指していると考えています。①1節~6節:荒らす者が荒らされて。敵の攻撃にさらされて神の民は、主にむかって祈り、助けを呼び求めます(2節)。外国に助けを求めるのではなく、主に助けを求めています。主を恐れることが、どんな時代にあっても確かな拠り所なのです(6節)。②7節~16節:主が立つ。1節~6節で主は預言者イザヤを通してアッシリヤに対する勝利の宣言をしましたが、実際には、ユダの現状は、アッシリヤの猛威の前で悲惨で希望のないものでした。勇者は敗れ(7節)、和平への試みも失敗し(8節)、人の往来もまばらとなり(8節)、国全体が憂いに包まれていました(9節)。ユダの国の中で最も肥沃な4つの地方(レバノン、シャロン、バシャン、カルメル)も、今や不毛の地に化してしまった(9節)。こうして、ユダの自力による解決は不可能ということが明らかになった時、主が介入して下さるのです(10節~12節)。「今、わたしは立ち上がる」と主が宣言され、エルサレムを攻略しようとしているアッシリヤの計画は無に帰します。主の介入による勝利は、遠くの国の者も、近くの国の者も、主の力を知り、恐れさせます。神の民ユダの者たちも、恐れおののいて、これまでの生き方を悔い改めて、主に立ち返るように促しています(14節)。15節には、「耳と閉じ、目を閉じる」と記されていますが、ここでは悪の誘惑に対する積極的な拒否の態度を表すものです。そのように、主のみこころに従う者たちを、主は保護され、平安の祝福を与えられます(16節)。③17節~24節:主による祝福。アッシリヤの軍勢による長期的なエルサレムの包囲が、主の御手によって解かれ、アッシリヤが撤退する様子を描いています(17節~19節)。同時に、終末時代のメシヤによる完全な解放とメシヤが支配する国についての預言でもあると思われます。22節では、「主は、私たちの」と3回も繰りかえすことを通して、主がどんなに信頼できるお方であるかを強調しています。一方で、大船の例えを用いて、アッシリヤのような敵たちは、すべて力を失うと宣言します(23節)。そして、新しいエルサレムの住民は、罪赦され、すべての病から解放されるのです(24節)。
今日の聖書箇所から教えられることは、6節の「知恵と知識とが、救いの富である。主を恐れることが、その財宝である」という個所です。今も、神の民は、人間中心主義の神なき文化の大海のなかで、木の葉のように翻弄されています。そのような状況の中で、私たちを守る真の錨は、真の知恵と知識です。創造主を恐れて、創造主のみこころを知ることが、真の錨です。創造論宣教は、現代社会における唯一の拠り所です。
清宣教師
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