きょうから、イザヤ書の後半に入りました。これまで(1章―39章)は南ユダ王国に語り続けてきましたが、指導者も民も耳を傾けませんでした。もちろん、ヒゼキヤのような主に従う王も出ましたが、39章ではヒゼキヤも不信仰に陥りました。そして、115年後に、南ユダ王国はバビロンにより滅ぼされて、ユダの民はバビロン捕囚となります。さて、40章以降は、この頑なな民に対するバビロン捕囚からの解放の預言、また、終末の回復の預言となっています。それは、一方的な神の恵みによる回復の預言、福音です。2節の「優しく語りかけよ」とは原文では、「心に語りかけよ」となっています。また、この2節にはイザヤ書後半の3つの要素が含まれています。第1に、労苦は終わり、第2に、その咎は償われ、第3に、2倍のものを受けるという約束です。「労苦は終わり」はイザヤ書40章―48章の内容です。「その咎は償われ」は49章―57章の内容です。「2倍のものを受ける」は58章―66章の内容です。さて、1節~11節は、「シオンへの良い知らせ」です。「草は枯れ、花はしぼむ。だが、私たちの神のことばは永遠に立つ」(8節)。そして、主は力を持ってこられ、統べ治められます(10節)。しかし、贖われた民を力で支配するのではなく、羊飼いの柔和と優しさで育て、守り導いて下さるのです(11節)。12節~31節は、「偉大なる主」です。神は、全能の創造者(12節~14節)、全世界の国々の主権者(15節~17節)、歴史の支配者(22節~24節)、宇宙の支配者(25節~26節)です。「目を高く上げて、だれがこれらを創造したかを見よ。」(26節)そして、続けて、「 あなたは知らないのか。聞いていないのか。主は永遠の神、地の果てまで創造された方。疲れることなく、たゆむことなく、その英知は測り知れない。疲れた者には力を与え、精力のない者には活気をつける。 若者も疲れ、たゆみ、若い男もつまずき倒れる。 しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる。走ってもたゆまず、歩いても疲れない。」(28節~31節)と宣言しています。
今日の聖書箇所から教えられることは、私たちの神、主はどのようなお方であるかを、鮮明に宣言しています。宇宙の星々を造られ、ひとつひとつ、その名をもってよばれる天と地の創造主、永遠の神です。目を高く上げて、このお方を見る時、すべてのことが解決されます。「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい」(へブル人への手紙、12章2節)。主を待ち望む者は、新しく力を得ます。
清宣教師