エレミヤ50章と51章は、バビロンに対する裁きの預言です。エレミヤ書25章12節において、すでに、バビロンへの裁きの預言がなされていました。そこには、「70年の終わりに、わたしはバビロンの王とその民、――主の御つげ――またカルデヤ人の地を、彼らの咎のゆえに罰し、これを永遠に荒れ果てた地とする。」と記されています。主はバビロンを背信のイスラエルを罰するための主のしもべとして用いられました。しかし、バビロンは自分の力を過信し、主をおそれなかったので、ペルシャ帝国によって滅亡させられます。バビロンに対する主の預言を広く世界に告げ知らせるために「諸国の民の間に告げ、旗を掲げて知らせよ」(2節)と命じられています。2節後半に登場する「ベル」と「メロダク」は、両方とも偶像です。バビロンの代表的な守護神です。「メロダク」は一般には「マルドゥク」という名称で知られています。そのバビロンは北からのひとつの国(ペルシャ帝国)によって滅ぼされます(3節)。これは紀元前539年のバビロン陥落を指していると思われます。バビロンの滅亡は、捕囚のイスラエルの民にとって捕囚からの解放を意味していました(3節~20節)。
21節の「メラタイム」と「ペコデ」という名称は、両方とも、「バビロン」を指していると思われます。具体的には、「メラタイム」はティグリス・ユーフラテス川の両岸のデルタ地帯を指しています。「ペコデ」は南部バビロン地域に住む部族名です。どのような強力な国であっても、主の御手の中に治められているのです。「射手」を呼び集めてバビロンを攻め(29節)とは、「射手」とはペルシャのことを指しており、32節の「高ぶる者」とは、バビロンを指しています。つまり、この世界の歴史は、バビロンのような強国の欲望と軍事力によって支配されているようですが、その背後には、主の強い御手があるのです。主はバビロンを確かに裁かれるのです(21節~46節)。
今日の聖書箇所から教えられることは、バビロン帝国を興され、バビロン帝国をペルシャ帝国を用いて滅ぼされたのもみな、主のご計画の中にあるということです。歴史とは、英語でHis-story つまり、Historyと言います。His とは(神の)という意味です。歴史とは、「神の物語」なのです。日本も、過去において高ぶり、失敗しました。いま、平和を与えられていますが、原子力エネルギーの利用や遺伝子組み換え技術の利用や、LGBTQの受け入れ、同性婚の合法化など、創造主を無視して気まま勝手なことをして高ぶるなら、みずからを滅ぼす危険性が高いです。祈りましょう。
清宣教師