51章1節では、「破滅する者」、2節では「他国人」ということばが出てきますが、これはクロス王とペルシャ人たちを指していると考えられます。この預言がなされてから、ほぼ70年が過ぎる頃、ペルシャの王クロスがバビロン帝国を滅ぼし、まさに預言の通りになりました。6節には、「バビロンの中から逃げ、それぞれ自分のいのちを救え。バビロンの咎のために断ち滅ぼされるな。これこそ、主の復讐の時、報いを主が返される。」と記されていますが、主によってバビロンが裁きを受け滅ぼされる時、イスラエルの民がバビロンに留まって共に滅びることがないように忠告されています。11節~14節でも、主がメディア人の王たち(メド・ペルシャの王、クロスとダリヨス王を指していると考えられる)を用いて、バビロンをさばき、打たれることを告げています。15節―19節は、バビロン帝国の支配下にある偶像の神々と対照的に、イスラエルを顧みられる主、創造主の素晴らしいみわざと創造主を知る民の幸いを記しています。「主は、御力をもって地を造り、知恵をもって世界を堅く建て、英知をもって天を張られた。主が声を出すと、水のざわめきが天に起こる。主は地の果てから雲を上らせ、雨のためにいなずまを造り、その倉から風を出される。すべての人間は愚かで無知だ。すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。その鋳た像は偽りで、その中に息がないからだ。それは、むなしいもの、物笑いの種だ。刑罰の時に、それらは滅びる。ヤコブの分け前はこんなものではない。主は万物を造る方。イスラエルは主ご自身の部族。その御名は万軍の主である。」とくに16節はザワメキの賛美となっています。甲子園リバイバルミッションの準備集会で良く賛美されたものです。20節の「あなたはわたしの鉄槌、戦いの道具だ。わたしはあなたを使って国々を砕き、あなたを使って諸王国を滅ぼす。・・」とありますが、「わたし」は、主なる神であり、「あなた」とはバビロンのことを指しています。しかし、そのバビロンが自分の欲望のままに、エルサレムに対してなした悪のゆえに、やがてバビロンも裁かれるのです(20節~26節)。次の27節―32節においても、バビロンはメド・ペルシャによって滅ぼされるという預言です。27節の「アララテ、ミニ、アシュケナズの王国」とは、バビロンの北方、アルメニヤ地方に属しています。ペルシャはメディアと統合してバビロンを攻めるという預言です。33節―44節は、バビロンの審判、そして40節―44節では、それを美しい詩文で表現しています。45節―58節では、もう一度、主は必ずバビロンを滅ぼす、その滅びの時は定められており、それは必ず成就することを告げています。59節―64節は、バビロンについての裁きの預言の結語です。ユダヤのゼデキヤ王の治世の第4年ですから、ゼデキヤ王は、バビロンに対して反旗を翻す意志はないことを、セラヤを引き連れて、みずからネブカデレザル王のもとに赴いたころのことです。預言者エレミヤは、セラヤを通して、バビロンの滅亡を象徴的な行為によって宣言するように依頼しました。
今日の聖書箇所から教えられることは、主は、ご自分のなさることを隠すことせず、ご自分の預言者には明らかに示されることです。バビロン帝国は、エレミヤ自身が生きている間は、目で見ても肌で感じても、バビロンは繁栄の絶頂のなかにありました。そのような中で、エレミヤは主のみことばは必ず成就するという確信を失うことがありませんでした。私たちにとってエレミヤは、再臨を待ち望む信仰者の模範ですね。
清宣教師
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