今日の17章は、主が南ユダの人たちに、なぞかけをします。それから、解き明かしをします。南ユダもエルサレムもバビロン軍によって滅ぼされますが、終末時代には、主の恵みによって、枯れた木が芽を出すように、イスラエルは回復するという預言です。さて、詳細です。2節、謎かけです。それは例え話の謎懸けです。3節、大きな翼、長い羽とは、広大な支配力と軍事力をさしています。いろとりどりの豊かな羽毛とは、異なる人種からなる軍隊をさしています。レバノンとは緑の沃野ですから、イスラエル(南ユダ)をさしています。つまり、大鷲(バビロン軍)がレバノン(南ユダの豊かな大地)に飛んできます(侵略する)。杉の梢(ダビデ王朝)、4節、若枝の先(エホヤキン王)を摘み取り(王位から退位させ)、それを商業の地(バビロンのこと、西の地中海沿岸の諸国と東のインドとの中間に位置しており、貿易で富を得ていた)に運び(バビロンに連れ去り)、商人の町(バビロン)に置いた(捕囚の民として幽閉した)。5節、その地(レバノンの地、ダビデ王朝)の種(ダビデの子孫、ゼデキヤ王)も取ってきて、肥えた土地(苗床のこと)に植え(新しく、南ユダの王としてゼデキヤ王を立てた)、豊かな水のそばに、柳のように植えた(バビロンの豊かな経済力と軍事力の恩恵のもとに置いた)。6節、それは成長し、たけは低いが(バビロンの支配下ではあったが)、よくはびこるブドウの樹となった。その枝は鷲の方に向き、その根は鷲の下に張り、こうして、ブドウの樹となって枝を伸ばし、若枝をだした。(南ユダの国は、バビロンの庇護のもと、それなりに繁栄した)。7節、さて、もう一羽の大きな翼と豊かな羽毛を持つ大鷲がいた(バビロンのような豊かな経済力と軍事力を持つもうひとつの国、エジプト帝国があった)。見よ。このブドウの樹(南ユダ)は、潤いを得るために、根を、その鷲の方に向けて伸ばし、その枝を、自分が植わっているところから、その鷲の方に伸ばした。(南ユダのゼデキヤ王は、エジプトの繁栄と軍事力に目をつけて、エジプトと同盟を結ぼうとして働きかけた)。8節、このブドウの樹(南ユダ)は、枝を伸ばし、実を結び、みごとなブドウの樹となるために、水の豊かな良い地に植え付けられていた。9節、それは栄えている(南ユダは栄えている)が、主はその根を抜き取り(苗床である南ユダの地から、すっかり引き抜き)、ことごとく枯らしてしまう(BC586年、バビロン軍により、南ユダは、完全に、滅亡し、すべての民が、バビロンに捕えられていった)。10節、東風(砂漠の方から吹いてきて、作物をことごとく枯らしてしまう風、バビロンの軍勢)が、南ユダは完全に滅びてしまう。これは主の裁きである。11節~21節は、3節~10節のなぞかけの解き明かしです。11節~21節に出てくる、契約とは、バビロン王とゼデキヤ王の間で結ばれた契約であるが、当時の契約(大王の契約とよばれるもの)では、最後に、証人をたてて契約を結ぶ形式になっている。その証人とは、両国の神である。つまり、南ユダのゼデキヤ王は、主なる神を証人として、この契約を結んでいる。両国の当事者は、もし、この契約を破るなら、その国の神の裁きをうけるという条項が契約に入っていたのです。それで、ゼデキヤが、バビロン王との契約を破棄し、バビロン王に反逆することは、それは主を軽んじることになり、主のさばきを受けることになるのです。22節ー24節、3節では大鷲が杉の梢を取ったが、ここでは、主が、杉の梢をとると言われています。つまり、主は、ダビデ王朝の中から若枝の先(ダビデの子、メシヤ)を摘み取り、高くて立派な山(シオンの山)に植え付けます。24節、野の全ての木(周辺の諸国)は、主が全ての国々を裁き、その歴史を支配されていることを知るようになるのです。枯れた木(滅亡した南ユダ)に芽を出させる(バビロン捕囚からの帰還、また、AD70年のユダの滅亡と、1948年のイスラエル共和国の誕生、さらに、終末時代のエルサレムの回復をも含む)のです。以上です。主は、世界の諸国の数千年にわたる歴史を支配されておられることが分ります。ですから、私たちは、世界のため、日本のため、歴史を支配される神様にお祈りします。同時に、私たちの人生を変えることが出来る神様でもあります。ですから、このお方にあって、私たちには希望があります。事実、主イエスが蒔かれた福音の種は世界中に蒔かれて、世界中で実を結んでいます。
清宣教師
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