きょうの個所は、エゼキエル書20章45節からの続きです。ヘブル語の聖書では、21章は、20章45節から始まっています。それで、私たちの聖書の21章1節―7節のところは、20章45節―49節に続いていると考えられます。20章45節―49節では、主が、預言者エゼキエルに対して、ネゲブの森に対して語るように命じています(46節)。その中身は、すべての緑の木とすべての枯れ木に火をつけて燃やしてしまうという、主の裁きの宣告です。そして、その火は消されることがない、と言われました(48節)。それに対して、民たちは、彼(エゼキエル)は、たとえばっかり、話していて、なんの意味もないことをしていると嘲笑しました(49節)。なぜなら、バビロンによるエルサレムの滅亡は、その時はまだ実現しておらず、むしろ、エルサレム(神の都)は不滅であるという楽観論が支配していたので、民たちが、エゼキエルを嘲笑し、はずかしめていたのです。(民たちは、この預言から2年半後、エルサレムが完全に滅びることになることを知らなかったのです。)今日の21章1節―7節では、「ネゲブ」のところを「エルサレム」に向け、聖所に語りかけよ、となっており、ネゲブとはエルサレムであることがわかります。「正しいものも悪者も」と語られておりますが、正しいものとは「緑の木」、悪者とは「枯れ木」と言われていたことが分ります。「火は消されない」という表現が、ここでは、「剣はもう、さやに納められない」という表現になっていることが分ります。「エゼキエルは例えばかり話している」という民の嘲笑に対して、主は、はっきりと明確にエゼキエルに語らせたのです。8節―17節は、「剣の歌」として知られています。ここでは、誰の剣かということは触れず、剣が主人公のように表現されています。それはすでに4節で、「わたしの剣」、つまり、主の剣であることが明らかにされているので、剣の歌では、主の裁きの恐ろしさを表現しています。「研がれ、磨かれている」(9節)、「研がれ、磨かれた」(10節)、「磨かれ、研がれた」と繰り返されていて、不気味な表現です。この剣は、何度も研ぎなおされ、磨かれ、鋭くなり、すべてのひとのいのちを奪うのです。杖とはゼデキヤ王のこと(10節、13節)です。主のさばきは、もはや避けることが出来ません。14節の[手を打ち鳴らせ]とは悲しみの表現のようです。そして、バビロンに預言するように主は命じられました。18節―27節は「バビロンの剣」です。バビロン王が南下して、攻めてくるとき、分かれ道に来ます。右に進めば、エルサレム、左に進めばアモン人の首都ラバに行く道です。そこで、バビロンの王は、3つの方法で占います。ひとつは矢を振り混ぜて、選ぶ方法です。おそらく、一本の矢の先に、エルサレム、別の矢の先にラバと書いておいて、それを混ぜてから、引き出して、どちらかを決める方法と思われます。次は、テラフィムをつかう方法です。テラフィムは、小さなお守りのようなものでした。それで、決める方法です。3つめは、肝を使う方法です。動物の生贄から肝臓を取り出して、その形や色で決める方法です。エルサレムは難攻不落で有名でしたから、誰が考えても、ラバへの道を選ぶはずでした。しかし、占いは3つとも、エルサレムを指すものでした。これは主が主権をもって、そうされるという預言です。そして、バビロン軍は、みなの予想に反して、エルサレムに進軍してくるのです。24節―27節、こうして、南ユダは裁かれ、エルサレムは壊滅します。25節の君主とはゼデキヤ王のことです。28節―32節は、アモン人への裁きです。アモン人はエルサレムが陥落した時、歓声をあげました。それゆえ、彼らも主の裁きを受けるのです。この預言は実際に、それから10年後に成就しました。主は今も世界の歴史を支配しておられます。
清宣教師
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