ダニエル書9章です。1節。ある聖書の研究者は、ダリヨスをクロス王と同一人物であると考える人もいます。まだ、考古学の資料が充分でないので、その辺は明らかではありません。なお、同じ王様が、いろいろな名前で呼ばれていたことは、いくつかの例があるようです。2節。ダニエルは預言者エレミヤの文書を通して、バビロン捕囚の期間が70年であることを知りました。これは、エレミヤ書25章11節、29章10節のみことばであると考えられます。そして、この預言は、この2年後に成就します。主の計画を知ったダニエルは、この地上で、祈ります。その祈りの内容が3節~19節です。断食して真剣に祈りました。私の神、私の主、と強調されています。本当に、個人的に深い絆の中で父なる神にお祈りしました。不面目は私たちのものです。罪を認めました。不信の罪のゆえに捕囚となったことを認めました。一方で、私たちの正しさの故ではなく、ただ、主が憐みと赦しの神であるがゆえに、背きの罪を赦してくださいと祈りました(9節、18節)。そして、エルサレムと神殿の復興のために、執り成しの祈りを捧げました。20節―23節。ダニエルが祈っている時、主の使いであるガブリエルが、主のもとから遣わされてきました。ダニエルが祈りを捧げ始めた時、すでに、その祈りは主のもとに届き、主からのお答えがあったので、それをダニエルに伝えに来たのです。ガブリエルは、ダニエルに対して、あなたは神に愛されている人だ、と言いました。そして、みことばをいただきました。24節―27節。70週の預言が語られました。イスラエルの民と聖なる都エルサレムについて、70週が定められているとガブリエルは語りました。62週と7週、それに1週で合計70週となります。最初の62週と7週を足すと、69週になります。これは、483日となります。1日を1年として、ユダヤ式では1年が360日なので、現代の暦に変換すると、483×360÷365=476年となります。「エルサレムを再建せよ」との命令が出されたというのは、アルタシャスタの第20年の勅令であると考えられます。それは、紀元前445年でしたから、現代の暦では476年(聖書の483年)を足すことになり、その答えは紀元後32年となります。この年は、イエス様がエルサレムに入城した年にあたります。27節の最後の1週間については諸説があります。27節の彼を、イエス様と解釈する人は、イエス様の十字架の贖いの成就により、動物の犠牲が廃止されたとみます。もうひとつの解釈は、反キリストであると考えます。最後の1週間は、終末の大患難時代であると理解しています。マタイ24章ではイエス様ご自身が、このダニエルの預言を引用されて、「荒らす忌むべき者が聖なるところに立つのと見たなら・・・・」と語られました。これは、アンティオコス・エピファネスがエルサレムに侵入し、豚を生贄にし、ゼウスの偶像を聖所に置いたときに、まず、成就しました。第2に、紀元後70年、エルサレムと神殿は、ローマ軍の侵入により、異教の神々の軍旗がたなびき、焼き滅ぼされました。前にも述べましたが、預言は、山の嶺のように、第1、第2、そして、終末に起こる嶺をも表すものです。マタイ24章でイエス様が預言されているように、ダニエルの預言は、終末の時代に、もう一度、成就します。いまは、まだ、エルサレムに神殿はありません。しかし、やがて、神殿が建てられてのち、いよいよ、反キリストが、エルサレムを蹂躙する時が来るのです。その日は近いのです。今日の個所から、ダニエルのように、この地上において、みことばを読んで主の御計画を知るものが起こされます。その人は、主の御計画がなるように祈りに導かれます。そして、天と地とがひとつとなり、主の御計画が成就するのです。
清宣教師
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