「再び」ということばで始まります。主を避けて、主の命令とは反対方向に進んだヨナでしたが、再び、主はヨナに命じられました。なんという神の憐みでしょう。再び、使命に召してくださったのです。しかも、4章を読むと、ヨナはニネベの人たちに対する愛から行動したのではなく、主の召しに対する義務感で、主のみことばを伝える人でした。ニネベの人たちは、律法を知らず、割礼をしておらず、預言者たちもいない民でした。そして、女神イシュタルの偶像礼拝をおこなう民でした。しかも、悪しき道と暴虐に満ちていた町でした。ヨナは、ニネベの人たちが亡びることを期待してこの使命を果たしていたようです。ところが、驚いたことに、ヨナが「もう40日すると、ニネベは滅ぼされる」というメッセージをすると、ニネベの町の住民が神を信じ、悔い改めの態度を示しました。そのリバイバルの波は王宮の中の王や大臣にまで及びました。そして、断食をして、各自、悪の道と暴虐な行いから立ち返ったのです。しかも、赦されるかどうか分らないにもかかわらず、なすべきことをなしたのです。神はニネベの人たちが、悪の道から立ち返るために努力している姿をご覧になり、滅びの裁きを思い直されて、そうされませんでした(10節)。
このような劇的な回心でしたから、後に、イエス様もニネベの人たちの改心を賞賛されています(マタイの福音書12章41節、ルカの福音書11章32節参照)。ニネべの人たちは、律法もなく、預言者もなく、割礼もない人たちでしたが、どうして神を知ることが出来たのでしょうか。ローマ人への手紙1章19節、20節に記されています。天地創造からこのかた、創造主の存在と力とは、被造物(創造主の作品)に示されており、だれでも創造主の存在を知るようにされているのです。神は、イスラエル人だけでなく、全人類の神です。だからこそ、神は不従順であったヨナを再び用いて、ニネベの人たちのところに遣わされたのです。
神は不従順なヨナではなく、他の人たちを用いることが出来たはずです。4章をみると、神のみこころを知っていながら、なお、自分のプライドにしがみついて、神に文句をいうようなヨナでした。どうして、ヨナにこだわる必要が在ったのでしょう。ヨナでなければならない理由はなかったと思われます。しかし、神は、あわれみと忍耐のゆえに、あえて、名指しでヨナを用いられたのです。「あなた」を捨てない神なのです。イエス様は言われました。「あなたがたがわたしを選んだのではなく、わたしがあなたがたを選んだのです」。そして、イエス様は、「わたしはあなたを決して見捨てない」と言われるのです(イザヤ書41章9節参照)。
ヨナを見ると明らかに不完全で欠点がありました。短気で、自分中心でした。しかし、神の選びは、間違いなかったのです。私たちも不完全で欠点があり、短気で自己中心です。しかし、主イエス様が選ばれたのです。私たちは不完全で、間違うものです。でも、イエス様は完全で間違いありません。そのお方が選んでくださったのです。そして、イエス様は、私たちを見捨てることなく、何度も何度も語りかけ、イエス様の働きへと召してくださるのです。そのために、聖霊様が私たちの霊と共に住んで下さり、導いて下さるのです。今日、私たちは主のご計画の中に生かされています。確かに、きょう、主は私たちを導いておられます。主を賛美します。
清宣教師
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