ダニエル書1章に入りました。1章から7章まではダニエルという名前で3人称で書かれています。後半の8章から12章までは、私と記されています。私とは、10章2節を見ると、「私、ダニエルは」と記されているので、私=ダニエルと分ります。それで、ダニエル書の著者はダニエルであるということができます。内容的には、1章~6章が歴史的記録、7章~12章が預言的部分となっています。
時期は、1章1節にあるように、エホヤキムの治世の第3年(紀元前605年)に、エルサレムから捕囚の民としてバビロンへ連れ去られ、バビロンの宮殿で、ダニエルと3人の少年が、特別に王の宮廷に仕えるためのエリート教育を受けることになりました。当時、13歳~15歳の少年たちでした。4人の少年は、敵国の捕虜として、バビロンの名前に改名させられました。ダニエル(神は裁き主)からペルテシャツァル(彼の名には神の霊が宿っている)へ。ハナヌヤ(主は憐み深い)からシャデラク(月の神、アクの命令)。ミシャエル(誰が神の救いか)からメシャク(誰が月の神アクのようか)。アザルヤ(主は私の助け)からアベデ・ネゴ(ネゴという国家神のしもべ)というように、偶像にちなんだ名前に改名させられました。そして、3年間の教育を受けることが義務付けられました。そのとき、ダニエルは、王の食べ物や飲み物で身を汚すまいと決断して、宦官の長に、(偶像の神にささげられたであろう)肉料理の代わりに、野菜を、ブドウ酒の代わりに、水を与えて下さるように願いました。しかし、宦官の長は、ネブカデネザル王の意向に背いて、他の少年たちよりも血色が悪くなったら処罰されるので、その場で承諾はしませんでした。ダニエルは知恵を用いて、世話役に言いました。10日間、野菜と水で試してみて、客観的に判断してほしいと言いました。判断を世話役に委ねました。その結果、10日後に、ほかのどの少年たちよりも、4人の少年の顔色が良く、身体も成長していたので、世話役は、4人の少年たちには野菜と水を与えることにしました。こうして、3年の教育をうけたのち、彼らはネブカデネザル王の前で試験を受けましたが、他の少年たちよりも、知恵と悟りと知識に優れていることがわかり、宮殿で王に仕えることになりました。当時、16歳から18歳になっていました。ダニエルは、歴代の王に仕え、クロス王の元年まで、『そこ』(宮殿)にいた、と記されています(21節)。主は、私たちをそれぞれの場所に遣わされます。それぞれ、私たちには、『そこ』いることが求められます。家庭、会社、学校、・・・主の計画の中で、私たちのあるべき場所が定められています。一方、主は、「わたしはあなたと共にいる」、と言われます。主の『そこ』とは、私たちの傍を指しています。感謝します。
清宣教師