2章のネブカデネザル王が夢を見たのは、ネブカデネザル王の治世の第2年でした。今日の3章は、70人訳聖書によるとネブカデネザル王の治世の第18年となっております。つまり、ダニエルと3人の友達がバビロンにつれて来られてから約20年経過していました。この年、紀元前586年は、エルサレムの神殿が崩壊し、ダビデ王朝が終わりを告げた年でした。ネブカデネザル王が夢を見てから、約20年の経過のなかで、ネブカデナザル王は、シリヤ、パレスチナ、南ユダを征服し、バビロン帝国を強大な帝国として建てあげました。ネブカデナザル王は、次第次第に、バビロン帝国は不滅であり、永遠であると考えるようになったようです。それで純金の巨大な像(高さ約27m、幅2.7m)をドラの平原に建て、奉献式を行いました。太守、長官、総督、参議官、財務官、司法官、保安官、および諸州のすべての高官たちが招集され、金の像の前にひれ伏して礼拝するように命じられました。その中で、3人のユダヤ人、シャデラク、メシャク、アベデネゴが偶像礼拝を拒否しました。それを目撃したあるカルデヤ人がネブカデネザル王に3人のユダヤ人が王の命令に反したと訴えました。それで、3人のユダヤ人は、王の前に連れ出されました。ネブカデネザル王は、もう一度、チャンスを与えたつもりでしたが、3人はそれを拒否したので、ネブカデネザル王は、大いに怒り、顔つきも変わり、炉の火力を平常の7倍も熱くするように命じました。そして、3人を縛って炉の中に投げ込むように命じました。3人は王に対して、「私たちの仕える神は、火の燃える炉から私たちを救い出すことができます。たといそうでなくとも、・・・金の像を拝むことはしません」と答えました。3人の答えの「たといそうでなくとも」ということばは有名で、本の題名にもなっています。こうして3人は炉に投げ込まれてしまいました。ところが王が驚いたことには、燃える炉の中を3人の者が歩いていました。しかも、もう一人、神様の子のような姿がそこにあるのを見て驚きました。そして、「シャデラク、メシャク、アベデネゴ。いと高き神のしもべたち。すぐ出てきなさい。」と叫びました(26節)。3人のユダヤ人は、命がけの行動で異教の神を礼拝するネブカデネザル王に対して、生ける真の神がおられることを証ししたのです。ここで火の試練は、3人のユダヤ人に何をもたらしただろうか? 実は、彼ら3人の体にも、衣服にも、害をもたらすことはありませんでした。ただ、彼らを縛りつけていたロープだけが焼き尽くされ、彼らは自由にされたのです。試練は私たちを損なうためではなく、私たちを自由にするために与えられているのです。
清宣教師